福岡の銘菓「鶏卵素麺 」 のルーツも、やっぱりポルトガルだった!
氷砂糖を沸騰させて作った蜜の中に、卵黄を細く流し入れて素麺状に固めた、福岡の銘菓「鶏卵素麺(けいらんそうめん) 」。
玉子素麺(たまごそうめん)とも言われるこの有名なお菓子もまた、そのルーツはポルトガルにあるというのです!
しかし、それもそのはず、「Doce de Ovos/ドース・デ・オヴォシュ」をはじめ、卵黄をふんだんに使ったお菓子作りこそ、ポルトガルの伝統。
安土桃山時代に、ポルトガルから長崎に伝来したお菓子が鶏卵素麺の始まりとされていますが、ポルトガルに来たからには、ぜひそのオリジナルをお目にかかりたい!…と思っていたのですが・・・
・・・あっという間に見つけることができました! ご覧のとおり、そのまんま鶏卵素麺なもので!笑
ポルトガル語で「卵の糸」という意味の郷土菓子、「Fios de Ovos /フィオス・デ・オヴォシュ」。
見た目だけでなく、作り方も鶏卵素麺にそっくり……いや、鶏卵素麺がそっくりで、煮立てたシロップの中に卵黄を細く流し入れて、糸のようなカタチを作り上げています。
それにしても、金平糖や一六タルトなど、ポルトガル由来のお菓子は数あれど、鶏卵素麺ほどオリジナルの原型を留めたまま日本に残っているのも珍しいですね〜。
なお、ポルトガルのフィオス・デ・オヴォシュは、結婚式や洗礼式、クリスマスなどに出されるのが一般的だそうですが、一方で・・・
・・・といったように、通年用意されているケーキなどの、デコレーションにも使われていました♪
今回私がポルトガルを訪れたタイミングは、イベントや特別行事のある時期ではなかったので、フィオス・デ・オヴォシュだけを、そのまま食べる機会には巡り会えず・・・
・・・そんなわけで、パティスリーのショーケースの中でも特に異彩を放っていた「Pingo de Tocha/ピンゴ・デ・トーチ」(一個 €2.55 ≒¥320)をトライしてみることに!
しかしこのお菓子、なんとフィオス・デ・オヴォシュをベースに、その上にさらに糖衣を纏わせたという代物。
フィオス・デ・オヴォシュだけでも十分甘いはずなのに、そこにさらに “砂糖の壁” が……その甘さのインパクトたるや、もはや筆舌にし難いものがあります、、、、
でも、フィオス・デ・オヴォシュ、つまり卵の部分の風味はとても優しく、まるで伊達巻を彷彿させるような、どこか懐かしい味わいなのでした。
そんなフィオス・デ・オヴォシュですが、調べてみると、なんと日本だけでなく、隣国のスペインはもちろん、かつてのポルトガルの植民地である南米はブラジル、アジアはマカオにまで、すっかり定着しているようなのです。
確かに美味ではあるけれど、数あるポルトガルの卵黄菓子の中で、なぜこの「卵の糸」が世界を股にかける人気者になったのか…?
単なる味の話だけでは説明がつかない、歴史的・社会的な背景が影響していそうで、改めて、郷土菓子の奥深さとおもしろさを噛みしめたのでした…… “砂糖の壁” と共に、、、
あや
【今回「Fios de Ovos/フィオス・デ・オヴォシュ」を購入したお店はコチラ】
コンフェイタリア・ナシオナル /Confeitaria Nacional
住所:Praca da Figueira18-B, 1100-241, Lisboa, Portugal
HP:https://confeitarianacional.com/
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お菓子ブランドをスタート!
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鶏卵素麺のルーツよくわかりました。私には甘過ぎます。
笑
フィオス・デ・オヴォシュも、なかなかショッキングな甘さでした(笑