かの有名な『夢をかなえるゾウ』も、大好物だというインドの郷土菓子!?
ヒンドゥー教・仏教・ジャイナ教などの発祥の地として知られる「宗教のるつぼ」、インド。
なかでもヒンドゥー教は、インド社会に特に深く浸透している宗教です。ヒンドゥー教徒はなんと、国民の約80%を占めるのだとか。
そのためインドの郷土菓子は、ヒンドゥー教の儀礼などの際に必要となる「お供え物」として生まれたものが非常に多く、その証拠に「保存がきくお菓子」がほとんどなのです。
そんなインドの郷土菓子の中でも、私が現地を訪ねる前からず~っと気になっていたのが、こちらの「Laddu/ラドゥ」♪ インドで最も有名なお菓子のひとつです。
なんとなんと、書籍『夢をかなえるゾウ』で日本でも知られる存在となった、ヒンドゥー教の神様・ガネーシャも、ラドゥが大好物なのだとか!?
その証拠にこのとおり、左手に大量のラドゥを抱えていらっしゃいます。鼻でキャッチして、まさに召し上がる瞬間ですね、きっとこれは。
さて、そんな人気者のラドゥですが、材料はとてもシンプル。粉と砂糖、そして「ギー/Ghee」という、インド料理でよく使われる濃縮されたバターがベースとなっています。
粉には、ひよこ豆粉やセモリナ粉、細かくしたココナッツなどを使い、最後に団子状に成形します。
その際に、カルダモンパウダーで香り付けしたり、ナッツやドライフルーツを混ぜたりと、アレンジの仕方は地域によって様々なバリエーションがあるのだとか。
そして早速現地のラドゥを味わってみようと、まずは北インド・バラナシ(ベナレス)で、最も人気があるというパティスリーを訪ねました。するとそこには、数えきれないほど多種多様なラドゥが!
悩みに悩んだけど、今回はまず、こちらの3種類のラドゥを購入してみることに♪
(ちなみに、お供え物として一度に大量に購入するのが一般的なので、値段表記はすべてキロ単位でした…!)
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まず1つ目は、「Laddu Afghani/ラドゥ・アフガニ」(Rs500 ≒¥750 /㎏)
アフガニスタンの通貨単位「Afghani」の名を冠したラドゥ(由来は謎でした…)。見た目がかわいらしくて一目惚れしてしまいましたが、カルダモンとローズの香りが強烈で、かなり玄人好みの一品と思われます…!
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2つ目は、「Laddu Jodhpuri/ラドゥ・ジョードプリ」(Rs440 ≒¥660 /㎏)
パキスタンとの国境近く、ラージャスタン州で生まれたとされるラドゥ。カレーのような風味で、甘さは控えめ。中にはアーモンドとピスタチオが入っています。
まわりには「ブンディ/Bundhi」という揚げ玉がついていて、プチプチとした食感が特徴的。
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3つ目が、「Laddu Gond/ラドゥ・ゴンド」(Rs600 ≒¥900 /㎏)
インド中南部で暮らす部族の名前「Gond」が付けられたラドゥで、アーモンド&ポピーシード入り。見た目は比較的シンプルですが、ギーが多めの配合なのか、かなり濃厚でパンチ力のある一品です。
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どのラドゥも、口の中でホロホロと崩れる食感は絶妙で、さすがアジアの郷土菓子大国・インド!…といった印象。
しかし、特筆すべきはやはり、強烈すぎる甘さと大量のオイル!決して小さくはない、ピンポン玉ほどの大きさのラドゥですが、なんとその材料の半分近くが、砂糖と油で占められているのであります…!
これはかなりインパクト大で、デビュー戦で早速インドの洗礼を受けた気分・笑
危うくのっけからKO負けしそうになった、インドの郷土菓子を巡る旅。
でも、これで引き下がってなるものかと、「現地で、現地の人々と、一緒に郷土菓子を作る」ことを目指して、今日も今日とて、せっせとインドの厨房にお邪魔するのでした。
あや
【今回「Laddu/ラドゥ」を購入したお店はコチラ】
シール・サガール/Ksheer Sagar
住所:B-15/45, Sonarpura Road, Varanasi, India
HP:なし
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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よく頑張りましたね。