単なるチョコ・クロワッサンと思いきや……これぞユダヤ人の伝統菓子!?
前回の「旅の日記」では、“世界の縮図” と呼ばれる世界遺産・エルサレム旧市街について綴りましたが・・・
城壁の外に出た旧市街の周辺には、どのような世界が広がっているかというと・・・
旧市街の北東に広がる「東エルサレム」には、ムスリムが多く暮らし、
一方で、旧市街の西に広がる「西エルサレム」は、ユダヤ教徒が多く暮らす地区となっています。
西エルサレムは「新市街」とも呼ばれ、旧市街とは打って変わって、近代的なショッピングモールが立ち並ぶ、洗練された街並み!
しかし、そのすぐお隣の区画に一歩足を踏み入れると・・・
・・・そこには「メア・シェアリーム/Mea Shearim」という、“正統派ユダヤ人” と呼ばれる人々だけが暮らすエリアがありました。
正統派ユダヤ人とはつまり、ユダヤ教の聖書の律法を、忠実に守って暮らす人々のこと。
道行く人々は男性も女性も皆、ユダヤ教の伝統的な衣装を身に纏い、外国人が立ち入ってよいものなのか?…と、思わず躊躇してしまうほど、独特な雰囲気に包まれています。
そして、そんなユダヤ人地区でよく見かけるのが、こちらのお菓子。一見、チョコ・クロワッサンと見紛いそうですが、なんと歴としたユダヤ人の郷土菓子なのだとか!
その名も「Rugelach/ルガラー」(一個 1.20NIS ≒¥35)。
イディッシュ語(中東・欧米に住むユダヤ人の言語)で「小さなクルクル巻き」という意味の、キュートな名前のこのお菓子。
食べてみると、なんと生地は「パン生地」ではなく「焼き菓子の生地」に近く、中にはチョコレートが入っていて、甘さがちょうどよく、いくらでも食べられちゃいます♪
サクサクしているものからソフトなものまで、生地のバリエーションは豊富。フィリングも、チョコレート以外にクリームチーズ・ジャム・シナモンシュガー・ドライフルーツなど多岐に渡るそうです。
このルガラーの起源を調べてみると、元々は、ユダヤ教の祭日である「ハヌカ/Chanukkah」の期間に食べられるお菓子だったのだとか。
ハヌカとは例年、キリスト教の祭日であるクリスマスとほぼ同時期に祝われる、ユダヤ教徒にとって最も大切な祭日のひとつ。
そのルーツを紐解いていくと・・・
紀元前2世紀、ギリシア人に占領されていたエルサレム神殿を、ユダヤ教徒が奪回。
しかしいざ神殿に戻ってみると、ギリシア軍によるユダヤ教弾圧の一環として、神殿のメノラー(燭台)を灯す油壺は、皆汚されていました。
そんな中、たった一つだけ、被害を免れた油壺を発見!
しかもその油壺に入った油は、一日分にも満たない量だったのにも関わらず、灯してみるとなんと、8日間も燃え続けたのだとか。
この奇跡を記念して、別名「光の祭り」とも呼ばれるハヌカは、8日間続く祭日となったのだそうです。
・・・と、そんなストーリーを調べていたら、次はハヌカの期間に訪れ、ルガラーでいっぱいになるであろうイスラエルの街を歩いてみたい!
……と思うとともに、
流浪の民とよばれ、イスラエルだけでなく、今も世界各地で暮らすユダヤの人々。ということは、地域によってまたひと味違ったルガラーがあるのかな…と、また新しい興味が芽生えてしまったのでした♪
あや
【今回「Rugelach/ルガラー」を購入したお店はコチラ】
ヌアマ/Nama
住所:※イディッシュ語のため解読できず、、、
HP:なし
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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今回も面白かったです。
ありがとうございます!
メア・シェアリームは、これまで訪ねたどんな街よりも、独特な雰囲気でした。