古代メソポタミア発祥の郷土菓子は、海を越えて南米に渡った…!?
これまで、ヨーロッパのお菓子が伝わった中南米、スイーツ文化を世界中に広めたヨーロッパ……と、私たちはお菓子の歴史を逆引きするように旅のルートを辿ってきましたが、その終着点を求めるとなんと、中東にたどり着きます。
そんなわけで、「世界の郷土菓子を巡る旅」をする私にとっては、中東を訪ねることは非常に重要な意味を持っていました。
そして今回、中東で唯一立ち寄ることのできた国、イスラエル。
この地域を代表する郷土菓子は沢山あるけれど、その中でも、私には特に気になっていた郷土菓子があったのですが・・・
・・・それは、今なおパレスチナ自治政府との領有権問題に揺れるエルサレムの旧市街。その一区画であるイスラム教徒地区へと入っていくと、すぐに出会うことができました♪
・・・その正体は、こちらの郷土菓子「Halva/ハルヴァ」です!
噂に聞いていたとおり本当に色々な種類があって、そしてまるで、石のように積まれたハルヴァ……これこそまさに、現地で、生で、ぜひ見てみたかった光景なのです~!
穀物・ナッツ類に油脂と砂糖を加えて作られた、中東を代表する郷土菓子・ハルヴァ。
その起源は、古代メソポタミア(現在のイラク周辺地域)にあるとされ、今では東はバングラデシュから西はモロッコまでの、非常に広い地域で愛されているお菓子です。
ナッツやドライフルーツ入りのものがあれば、スパイスやローズウォーターで味付けされたものもあったりと、なんと世界には数百種類ものハルヴァが存在しているといわれています。
移民国家のイスラエルには、それら様々な地域のハルヴァが集まっていますが、中でも最も一般的なのが、濃厚な練りゴマ(英:tahina/タヒーナ)をベースとして作るものなのだとか。
私が実際に購入したのが、そこにピスタチオが入ったものとチョコレート味の、2種類のハルヴァ。
早速口にしてみると、硬い石のような見た目とは裏腹に、油脂が舌の熱で溶けていき、口の中でシュワワ~ッと溶けていく食感が印象的…!
さらにそこから、優しい甘さと共に、ゴマの香ばしさが口の中いっぱいに広がっていきます♪
実は私、このハルヴァとそっくりな郷土菓子と、今回の旅で一度出会っているのですが・・・
・・・それがこちら、南米・アルゼンチンの郷土菓子「Mantecol/マンテコール」です!
アルゼンチンはブエノスアイレスを旅していたとき、アルゼンチン人のスイーツ男子から教えてもらった、ピーナッツバターで出来たナッツバーのお菓子、マンテコール。
そのルーツを遡っていけば、なんとハルヴァに辿り着くと知って以来、中東で実際に口にできる日を心待ちにしていたのです!
世界広しといえど、ハルヴァほど古い歴史があり、そして大陸を越えて、文化をも越えて、世界各地に広まっていった郷土菓子は、そう多くはありません。
……という知識は、頭の中では理解しているつもりだったけど、こうして自分の中に実体験として積み上がって、改めてその歴史に思いを馳せると、どどど〜っと感動の波が押し寄せてきます!
こんな風に、世界の郷土菓子ストーリーが自分の中で繋がっていく瞬間こそが、まさに世界一周の旅の醍醐味。おもわず聖地で小躍りしたくなるほど感激した、ハルヴァとの出会いでした♪
あや
【今回「Halva/ハルヴァ」を購入したお店はコチラ】
※エルサレムの旧市街、特にイスラム教徒地区のそこかしこで、ハルヴァは量り売りされています!
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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ハルヴァに対する文ちゃんの思いがよく伝わりました。