100年の歴史を誇る、ブラジルの日系人文化の中心地だけど…
【day】35~36日目
【route】リオデジャネイロ→サンパウロ
前回の「旅の日記」に綴ったとおり、南米三大カーニバルのひとつ「リオのカーニバル」の観覧も無事に終え、リオデジャネイロを後にした私たち。
やたらと評判は悪いけど、妙に魅かれてしまうリオデジャネイロは、またいつか戻って来たい街のひとつです。
・・・さて、次の目的地はというと、南米最大の都市・サンパウロ。
「エクプレッソ・ド・スル/expresso do sul」社のバスで、リオデジャネイロから約6時間の旅路です(一人R$99.80 ≒¥2,994)。
リオデジャネイロをPM11:30に出発する夜行バスなのだけど、さすがは経済大国ブラジル、乗り心地はなかなか良好。
さらに、ボリビアやパラグアイとは違って、都市部を離れても未舗装の幹線道路はほとんどなく、久々にノンストレスで、車中泊の朝を迎えたのでありました。
無事にサンパウロに到着して、まずは宿にチェックイン。今回の寝床は、ヘプブリカ広場周辺エリアの「アルテミス・オテル/ARTEMIS HOTEL」。
シャワー・トイレ付きで一泊一室 R$83 ≒¥2,490。サンパウロの中ではかなりお得と思われます。
ほんの少し休憩して、早速サンパウロの街へと出掛けた私たち。
どんなに快適だったとはいえ、されど夜行バス…疲労度はなかなかのものです。けれども入国以来、ブラジルが好印象すぎるため、自ずと高まるサンパウロへの期待が抑え切れないのでありました。
で・す・が…
ん?
んん?
んんん?
…まさに、コンクリート・ジャングル!
いや、都市の割には緑が多かったりもするんですけどね…
なんていうか…
人の歩くスピードは尋常じゃなく速いし、リオデジャネイロのような朗らかな雰囲気もないし…
ここは、東京ですか?…という印象。
まぁ、そりゃそうなんですけども…サンパウロは人口約1100万人、南米最大の都市にして、ブラジル経済の中心地。
東京をはじめ、ニューヨーク、ロンドンなど、資本主義経済の先頭をひた走る街に共通して感じた、人々の無機質感というか、喪失感みたいなものを、この街でも感じてしまうのは、私たちだけでしょうか。
…つまり、どうやら私たちの肌にはあまり合わないようなのでした(苦笑)
めげずに郷土菓子のリサーチのために街歩きは続けるものの、この街には極端にパティスリーが少なく、いよいよもって、なんだかなぁ…という状況。
…とはいえ唯一、目指したい場所を発見!
それは、日本人移住者が中心となって生んだ「東洋人街」。
これまでも、日本人移住者のストーリーについて触れてきましたが…
ペルー編:“日系ペルー人” を、夫婦で考えてみた
パラグアイ編:2度目の取材成功! アスンシオンで郷土菓子作り♪
…ブラジルの日系人の歴史は100年以上と南米の中でも最も古く、そしてここサンパウロは、その文化の中心地なのであります。
…というわけで、今回の旅で日本人移住者のストーリーに俄然興味をもった私たちは、迷うことなく東洋人街へと向かいます。
地図を頼りに歩いて行くと…
…突如、提灯風の街灯が!
さらに、鳥居まで…!
鳥居をくぐって街の中へと進んでいくと…
ここは、
もはや、
日本ですか?
どこに目をやっても、日本語の看板だらけ…!
街並みだけでなく、食べ物も日本食だらけ…!
焼きそば、たこ焼き、天ぷらに…
ケーキが並ぶ中に、いちご大福まで!
ちなみに、以下の2つはやりすぎ感も否めません(苦笑)
鳥居モチーフの信号機。
日本家屋風のマクドナルド。
まるで地球の裏側にある日本みたいで、確かに非常に興味深いし、精神的にホッとする部分もあります。
ただし、近年では台湾や中国の方が経営してるお店が増加傾向にあるらしく、なるほど、いわゆる“なんちゃってジャパニーズ”なお店がかなり散見され、正直う~んと首をかしげる部分もかなりありました。
本当の意味でブラジルの日系人文化に触れたければ、来るべきところはココではなかったのかもしれませんね。
・・・そんな寂しげなことを思いつつも、せっかく来たのでしっかり日本食は頂いていきます。
お昼のピーク時に行列を作っていた、日本食レストラン「ポルキ・スィン/Porque Sim」に、ちょっと時間をズラして入店。
そして久しぶりの…
天丼、いただきます!
妻は、かねてからボヤいていた野菜摂取不足をここぞとばかりにリカバーすべく、野菜炒めを注文。
夫は「せっかくの日本食で、なにも野菜炒めじゃなくてもいいんじゃないか…」と、心の中で密かにつぶやきつつも、満面の笑みを浮かべる妻をみて、相変わらずのゴーイング・マイ・ウェイぶりを結局はリスペクトしてしまうのでありました。
旅程の都合で、正味一日程度でサンパウロを去ることになった私たち。
次に訪ねるときは、本当の意味で、ブラジルの日系人文化に触れられる場所に行かねば…と、後ろ髪を引かれつつ、久々のコンクリート・ジャングルを後にするのでありました。
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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