並木道に石畳、青タイル、クラシックカー…この街は完成度が高すぎる!
前回の「旅の日記」に綴ったとおり、アルゼンチンはブエノスアイレスから、隣国のウルグアイへと日帰りで訪れた私たち。
到着したのは、「コロニア・デル・サクラメントの歴史的街並み」として1995年に登録されたユネスコの世界文化遺産、コロニア・デル・サクラメント。
2016年現在、ウルグアイに2つしかない世界遺産の内の一つです(もう一つは、2015年登録の世界文化遺産「フライ・ベントスの産業景観」)。
コロニア・デル・サクラメントは、1680年にポルトガルの貿易港として建設された、ウルグアイで最も古い街の一つ。
そして、1777年にスペインの支配下に置かれるまでの100年の間に、支配者がなんと9回も代わり、その度にポルトガル領になり、スペイン領になり…と、歴史に翻弄されてきた街なのであります。
そのため、わずか12haほどの範囲に、ポルトガル・スペイン両国の建築様式が混在したままの街並みが残る、世界的にも非常に珍しい街。
・・・そんな基本情報を踏まえ、
いざ世界遺産に指定されている旧市街へ!
度重なる戦乱に見舞われた要所だったため、旧市街はかつて城壁に囲まれていて、そのため現在でもその一部や城門などが残っています。
そして、旧市街の中心部へと行くと・・・
延々と続く、圧巻の並木と石畳!
どの道を歩いても、緑いっぱいの並木道が続いています。
ただ歩いているだけでも心地よい…南米にこんな街があったのか、、、
一体どれだけ、緑に覆われた街なんだろう??
…と気になって、灯台に上ってみることに。
そして、頂上からの眺めがコチラ!
遠くには、私たちが到着したフェリー乗り場が見えます。
う〜む、街全体がモリモリの緑に覆われているのが、よくわかりました。
さらに、ちょっとした街角の風景も可愛い、、、
しかも異様なほど静かで、どこに行っても喧騒とセットがお約束の南米の街とは、やはり思えません。
また、風情ある街並みにアクセント加えているのが、このタイル。
元々はポルトガルの貿易港という歴史的背景からもわかるように、ポルトガル由来のアズレージョ(青タイル)の生産が盛んだったようで・・・
街の地図から、
民家の表札、
ホテルやお店の看板まで、
とにかく街中、タイルだらけなのです!
「タイル博物館」というミュージアムもあって、
かつて使われていた、貴重なタイルが展示されています。
お土産も、もちろんタイルがズラリ。
長旅のため、お土産はよっぽどのことがない限りは買わないようにしていたのですが、「シェフに喝采を」…という可愛すぎるプチ看板を発見してしまった、旅するパティシエ。……購入しないわけにはいきませんでした。
街を彩るのはタイルだけではなく・・・
あちこちで咲き乱れる花々に、
さりげなく駐車してある現役のクラシックカー、
やたらとおしゃれなカフェ、
そして、発掘された恐竜の化石の展示(笑)、
…と、あらゆるタレントたちが、街中で大活躍。
加えて、ウルグアイのソウルフード、チョリソーがおいしすぎます、、、
いわゆる“街歩き観光”として、ここまで完成度の高い街は、世界中を見渡してもそうないのではないか…。そう思わせるほど、あらゆる要素がわざとらしくなく、ごく自然に、地元の人々の生活の上に成り立っていました。
それを象徴するかのように、飲食店のメニューなどには、ウルグアイの通貨だけでなく、アルゼンチン・ペソ、ブラジル・レアル、アメリカ・ドルの3種類の価格が併記されています。つまり、ここでは、各国の紙幣・貨幣が、両替の必要なく通用するのですね。
観光資源の乏しいウルグアイの観光客誘致対策の一つでもあるけれど、言い換えれば、この小さな小さな街に、アルゼンチン、ブラジル、そして世界中からどれだけ多くの旅行者が訪れているのか、ということ。
コロニア・デル・サクラメント……ここはキング・オブ・街歩き観光なのでは…??
おかげで俄然、興味が湧いてきたウルグアイという国。近い内に、この国だけをゆっくり巡る旅をしてみたい。
そして、元ウルグアイ大統領 ホセ・ムヒカが目指す“消費社会からの脱却”は、実際のところ国民にどれだけ、どのように受け止められているのか、ぜひそれも確かめてみたい。
そんなことを想った、充実のウルグアイ日帰り旅なのでした。
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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