ポルトガル&オランダの伝統を受け継ぐ、南アを代表する郷土菓子♪
「人類発祥の地」とされるアフリカ大陸最南端に位置する、南アフリカ共和国。紀元前10万年から、サン人やコイコイ人といった先住民族が定住していたとされています。
しかし15世紀に入ると、アジア進出のための中継地点として重要視されたこともあり、ポルトガル・オランダ・イギリスなどヨーロッパ列強による植民地支配を受けることに。
その後、1910年に「南アフリカ連邦」として独立、1961年には「南アフリカ共和国」が設立。先住民やヨーロッパ系移民、アジア系移民、それぞれが抱える多種多様な文化の集合体が、現在のこの国を形作っています。
そして、そんな南アフリカならではの郷土菓子を、ここケープタウンで発見することができました!
その名も「Melktert/ミルクタルト」(一個 R12.99 ≒¥94)!
ルーツはポルトガルの「パステル・デ・ナタ」。しかし、「ミルクタルト」として誕生したのは、酪農王国・オランダという、まさに多文化社会・南アフリカらしいお菓子!
ちなみに「Melktert」という名は、オランダ語から派生したとされるアフリカーンス語です。
南アフリカやナミビアに入植した、「アフリカーナー」とよばれるオランダ系白人の母語で、現在では南アフリカの公用語の一つとされています。
ミルクタルトは……
・アフリカーンス語 →「Melktert」
・オランダ語 →「Melktaart」
……なので、なるほど確かに微妙な違いがあり、アフリカーンス語は「オランダ語の方言」のようなものとして、一般的には理解されているようです。
さて、そんなミルクタルトは一見、どこにでもあるカスタードタルトのようにも見えますが・・・
・・・やわらかいタルト生地の中央にはなんと、ミルクが主役のカスタードが使われているのです。そして、トップには、ポルトガルの「パステル・デ・ナタ」を彷彿させるシナモンが♪
実際に口にしてみると、卵をベースとして作られるカスタードクリームほど、こってりとはしていなくて、優しい風味の中にも、キリっと味を締めてくれるシナモンが効いている、なかなか繊細なスイーツです。
南アフリカを代表するお菓子と言っても過言ではないミルクタルトですが、一方で、発祥の地であるオランダでは、さほどメジャーなものではないというのは不思議なところ。
そして見方を変えればそれは、ポルトガルとオランダの伝統を受け継ぎながらも、アフリカ最南端の地で独自の発展を遂げてきたということ。
まさに、南アフリカの歴史を象徴するような、郷土菓子との出会いでした♪
あや
【今回「Melktert/ミルクタルト」を購入したお店はコチラ】
スパー/SPAR
住所:27 Somerset road, Western Cape, Greenpoint, Cape Town, South Africa
HP:なし
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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ミルクタルトも文ちゃんの手になるとすごく美味しそうです。