ブラジルのパッションフルーツ・ムースは、“special one”なのです♪
爽やかで濃厚な香りをもつパッションフルーツ。南米で最もポピュラーな果物のひとつで、現地では「マラクジャ」もしくは「マラクヤ」と呼ばれています。
特にブラジルでは、広い地域で手に入るため、ケーキ・ジュース・ジャム・アイスなど様々な商品に加工され、ブラジルの人々の生活には欠かせない食品となっています。
なかでも、カフェやレストランで必ずと言ってよいほど目にするのが、今回紹介する「Mousse de Maracuja/モースィ・ジ・マラクジャ」。
つまり、
パッションフルーツのムースです!
ブラジルでは、暑い地域が故にどうしても甘さの強いスイーツが多かったのですが、この郷土菓子は珍しく、ゼラチン使用のサッパリとした酸味のあるムース。
そして驚くべきは、他の果物がバリエーションとしてあってもいいものですが、ブラジルで出会ったムースは、ほぼ「パッションフルーツ」の一本に絞られていました!
そう、日本のように「◯◯味のムース」の中の“one of them”ではなく、ブラジルではあくまでも「モースィ・ジ・マラクジャ」という“special one”の郷土菓子なのです。
更に、お店の方に使っている材料を特別に教えてもらったのですが…
【現地で作る場合の材料】
・パッションフルーツ(果肉)
・パッションフルーツ ジュース
・コンデンスミルク(牛乳)
・ゼラチン
…なんと! ここでも南米ならではのコンデンスミルクが使用されていました!
※コンデンスミルクの詳細は↓コチラ
*郷土菓子メモ* ペルー の「Crema Volteada/クレマ・ボルテアダ」
ブラジルの気候に耐えうる保存性の高さはもちろん、何より酸味の強いパッションフルーツに、ちょうど良く加糖する役割を果たしているのです。
食べてみると、確かにコンデンスミルクが全体的にミルキーに仕上げていて、南米・ブラジルらしい香りがふんわりと鼻を抜けていきます。
ちなみに、このお店でのお値段は、一個R$7 ≒¥210。
日本ではパッションフルーツ ジュースが手に入りにくいので、製菓用のパッションフルーツのピューレとグラニュー糖を使ったレシピを、帰国後にアレンジしたいと思います♪
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なお、ここからは余談ですが…
「パッションフルーツ」の“パッション”の意味はご存知でしょうか?
酸味が非常に強く、刺激的な味わいのため、「パッション=情熱」のフルーツと勝手に思い込んでいた私でしたが、現地の方に教えて頂いたところ・・・
・・・実は「情熱」ではなく、
「受難」を意味しているのだそうです!
そう言われてみれば、「パッション=受難」というと、2004年に公開されたアメリカ映画で、イエス・キリストが処刑されるまでの12時間を描いた作品、『パッション』が思い出されます。
その映画からもわかるとおり、キリスト教圏で「受難」といえば、それはつまり「イエス・キリストの受難」を指します。
そう、つまりパッションフルーツの「パッション」も当然「イエス・キリストの受難」を指すということになるわけですが、なぜそのような名前が付けられたかというと・・・
photo by mayapujiati
・・・パッションフルーツの花の形が、イエス・キリストが十字架にかけられている姿に似ているから!…なのだそうです。(ちょっと私にはそうは見えないけど…?)
原産地である南米では、パッションフルーツは古くから自生していましたが、世界に広がったのは17世紀以降。そしてこの「パッション」の名前が付けられたのは1610年、スペインの宣教師が南米旅行中にこの花を見て、名付けたのだそうです。
なお、日本へは明治時代に持ち込まれ、時計のようにみえる花の形から由来して「トケイソウ」という和名が付けられました。そして現代では、沖縄・鹿児島など主に亜熱帯地域で栽培されています。
photo by DEZALB
ちなみに、これまでは「パッション=情熱」のフルーツと勝手に思い込んでいた私でしたが、実際は精神を安定させる成分が含まれているそうで、ブラジルの人々はリラックスしたいときにこれをよく食べるという、全てにおいて自分のイメージとはかけ離れていた、サプライズ・フルーツなのでした!
あや
【今回「Mousse de Maracuja/モースィ・ジ・マラクジャ」を購入したお店はコチラ】
マニア・ジ・トルタ/Mania de Torta
住所:Rua Xavier da Silveira, 45 Lj.B – Copacabana,Rio de Janeiro,RJ,Brazil
Facebook:https://www.facebook.com/maniadetortarj/
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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