キュートな街で、ほんの少し垣間見た、キューバのキューバたる由縁
【day】65〜66日目
【route】トリニダー
前回の「旅の日記」に綴ったとおり、キューバの首都・ハバナから、トリニダーへとやってまりました!
ここは「トリニダードとロス・インヘニオス渓谷」として、1988年にユネスコの世界文化遺産に登録された地域。ちなみに上の写真は、キューバの硬貨(CUC25¢)にも描かれている、この国を代表する風景の一つです。
18世紀、郊外のロス・インヘニオス渓谷にサトウキビのプランテーションが作られ、トリニダーは砂糖貿易の中心地として栄えました。
19世紀に入ると砂糖貿易は下火となり、それと共に街も衰退していきましたが、当時の面影がそのまま残る旧市街は、キューバの一大観光地として、今ではこの地域に大きな観光収入をもたらしています。
さて、そんなトリニダーですが、街はどんな様子かというと・・・
・・・というように、カラフルなペイントとオレンジ色の瓦屋根が特徴的な家並みが続いています。
観光用のみならず、今でも地元の人々の足として、石畳の上を馬車が行くのもステキ。
そういうわけで、標識もしっかり馬車対応なのは、さすがです(笑
街には、サトウキビ農園で巨万の富を得た富豪の屋敷も残っていて、その多くは博物館として公開されています。こちらは「市立歴史博物館」。
ここでは屋上に上ることもできて・・・
なんと、トリニダーの町を一望できました!! ちなみに遠くに広がるのは、カリブ海であります!
よし、町の象徴である、あの塔にも登ってみなければ!…ということで、行ってみると・・・
なんとここは「賊軍討伐博物館」でした! 元々は修道院だった建物を、キューバ革命後に、革命軍に関する資料や使用した武器などを展示する博物館にしたのだとか……さすがキューバ(笑
そして塔に登ってみると、とってもステキな夕景を見ることができましたー!
こんなにくっきりと、カリブ海に沈んでいく夕日を拝めるなんて……う〜ん、ラッキーなのでした。
そんな世界遺産・トリニダーですが、世界各地から旅行者が集まる街ということで・・・
・・・というように、ここは本当にキューバか!?…と目を疑ってしまうほど、観光地化され、モノであふれ返っています。
夜の街歩きもなかなか風情があって、ハバナとは違い、遅くまで楽しくさんぽできます(笑
小さい街ながらナイトスポットも充実していて、中でもここ「ラ・カンチャンチャラ/La Canchanchara」は、トリニダーで最も人気の高いバーです。
ここに訪れる人々の目的は、店名と同じ「ラ・カンチャンチャラ」という名のカクテル。
サトウキビの蒸留酒に、ハチミツとレモン、水を加えたもので、この地方の伝統的なお酒なのだとか。味は、アルコール入りレモネードといったカンジ…そのまんまですが(笑
店内では、キューバ音楽の生演奏も聴けちゃったりして、お酒が弱い私たちも、思わず夜更かししてしまったのでした・・・
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・・・というように、キューバにも、いわゆる“ THE 観光地”があったのには驚きでした。良い意味で、ミーハーな旅好き女子からも支持を得そうなほど、キュートな町なのです。
しかし忘れていけないのが、この地が砂糖貿易だけではなく、キューバにおける奴隷売買の中心地であったということ。
サトウキビのプランテーションにおける労働力は、アフリカから連れて来られた黒人奴隷が担っていました。19世紀に入り砂糖相場が暴落し、町が衰退の一途を辿ることとなったのも、奴隷制度の廃止がその要因です。
スペインによる植民地支配によって蹂躙され、その後独立を果たすも、軍事上の地理的な問題も相まって、カリブの島々の中でも特に、アメリカの過度な介入で翻弄されたキューバ。
この国で、なぜ歴史的な革命が起き、なぜ社会主義国となったのか?……その根源をここトリニダーで、ほんの少しだけど、垣間見た気がするのでした。
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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