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カーニバルで体感…ブラジル人の“楽しむチカラ”の真骨頂


リオデジャネイロで毎年2月に行われる、「リオのカーニバル/Carnaval do Rio de Janeiro」

決してお祭り好きではないけれど、せっかく2月に南米にいるのであれば、体験しないわけにはいかないだろう!…というわけで、「リオのカーニバル 2016」を観覧してみたのでした。

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ブラジルのことはよく知らなくても、「リオのカーニバル」なら一度は耳にしたことがあるという人も多いかと思います。

それもそのはず。このお祭りは、約6万人のパレード参加者と、世界中から集まる約8万人の観客で繰り広げられる、南米三大カーニバルのひとつであり、そして、世界最大規模のお祭りです。

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生演奏のサンバのリズムに合わせて、ギラギラと輝く山車と共に、ド派手な衣装を身に纏ったダンサーたちが踊りを披露。そんな祭典が、なんと一晩中続くのであります…!

しかもこのカーニバル、一夜限りではなく、計5日間にわたって開催されるというから驚き。…というのも、「リオのカーニバル」は単なるお祭りではなく、あくまでも“競技” ・“コンテスト”なのです。

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一チーム2000人~4000人で構成される70以上のチームが、1年間かけて練習を重ね、その成果をカーニバルで披露。

審査員が演奏・踊り・衣装・山車の装飾などそれぞれの項目を採点、チームが点数を競い合い、その年のチャンピオンを決めるのであります。
 

しかも、その優勝賞金はなんと!

約5億円…!!


…そう、この金額からもわかるとおり、単なるカーニバルではなく、あくまでも真剣勝負なのです。

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それほど大規模なカーニバルなので、「期間中は都市機能の一切が停止する」…といわれています。

ですが、私たちが訪れたときはすでに、2月5日~2月8日に開催された「本選」は終了していて、街ではいたって普通に過ごすことができました。

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…というのも、決してお祭り野郎ではない私たちは、贅沢ながら、ほどほどにカーニバルの雰囲気を体感できればいいな~と考えておりまして。

そんな二人にとっては、本選終了後の週末(2016年は2月13日)に開催される「チャンピオンパレード」の観戦がちょうどよかったのですね。

「チャンピオンパレード」は、本戦の上位6チームのみで開催される後夜祭のようなもの。そのためレベルの高い演目を、確実に、比較的落ち着いて見ることができるのだそうで、ユルく楽しみたい私たちにとってはうってつけというわけです。
 

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そんなリオのカーニバル、一体どうやってチケットの購入したの?…という話ですが、旅立ち前にネットであれやこれやと事前に調べていました。

…が、旅行会社が主催する日本発のツアーばかりで、しかもどれも超高額。個人での観覧に成功したというブログもいくつか散見されたけど、なにやらわかりにくい情報ばかり。

さてどうするべきか…と悩んだりもしましたが、肝心なところは大雑把な私たち。まぁなんとかなるだろうと、特になにも準備もせずリオデジャネイロ入りしてしまったのでした。

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そんなユルさが吉と出て、試しに宿泊したホテル「ガンボア・リオ・ホテル/GAMBOA RIO HOTEL」のフロントに問合せてみたら、あっさりとその場でチケット入手成功!

しかも購入した時期は、なんとカーニバル開催当日の朝。そして、事前にネットで調べていた公式料金とも大差なしという、うれしい結果。

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座席が残っていたのは、パレードを観るのに2番目に良いとされているエリアのひとつ、「セクター6」の自由席。

料金は一人 R$500≒ ¥15,000…長期旅行には痛い出費だけど、一生に一度の体験ということで良しとすることに。

ちなみに、本選の決勝戦チケットともなると、同じエリアで一人¥20,000程度。最も高額な席では一人¥35,000なんてものもあります…!

そんな「本選」チケットは確かに入手がやや困難らしいので、私たちのような行き当たりばったりでは購入できない可能性もあります。「リオのカーニバル 2017」観覧を検討されている方はご注意を。
 



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・・・というわけで無事、「チャンピオンパレード」を観覧できることになった私たち。PM9:00のスタートに向けて、会場に向かいます。

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会場までの道のりの盛り上がりに、本当にあの「リオのカーニバル」にやって来たんだな~と、実感がわいて来ます。

そして、会場に入ると衝撃的な光景が・・・

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「サンボドロモ/Sambódromo」という全長約700mのこの会場、なんとサンバ専用のスタジアムなのです…!

リオデジャネイロの会場は特に巨大ですが、ブラジル国内には他にもサンボドロモが各地にあるのだとか。いやはや、彼らのサンバにかける熱量に脱帽であります、、、
 

…と、圧倒されるのも束の間、いざカーニバルが始まると、さらなる衝撃的な光景が!

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想像をはるかに超える、ド派手な山車&ダンサー!
 

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観客は総立ちで、一緒にシング&ダンス!笑

 

↓当日の動画がこちら↓

↓当日の写真がこちら↓

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・・・全長約700mの会場で、1チームがなんと1時間以上かけてパフォーマンスを披露。この調子で、宴は朝まで続いていくのです、、、
 

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AM0:00であっさりとギブアップ宣言をした私たちは、途中退場。見ているだけなのにすっかりパワーを吸い取られてしまい、朝まで観戦するなんてとてもじゃないけど想像できません、、、

いやはや、後夜祭でもこのテンション…ブラジルの人々のパワーはやはり底が知れません。


ちなみに、今年優勝したのは「マンゲイラ」というチームだそうです。

【写真特集】優勝した「マンゲイラ」、リオのカーニバル(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3076556
 



・・・そして、最後に「リオのカーニバル」の簡単な歴史について。

やはり元々は、かつての宗主国であるポルトガルからブラジルに伝わった、キリスト教由来の祝祭といわれています。

日本では「カーニバル」という言葉を、いわゆる“華やかなパレード”といった意味で用いますが、そもそもの意味はキリスト教・カトリックの「謝肉祭」のこと。

「謝肉祭」とは、「イースター(キリストの復活祭)」までの40日間の禁欲生活期間に入る前に、数日間にわたって行われる、肉食と告別する祝祭のこと

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そしてブラジルではこれが、4日間繰り広げられる「リオのカーニバル」の本選にあたる…というわけです。

ものすごく簡単にいうと、「カーニバル」はつまり、禁欲生活に入る前に開放的に楽しんでおこうじゃないか…というお祭りなわけですが、ブラジル人の有り余るパワーを以て、ブラジルらしく昇華させると、「リオのカーニバル」になるというわけですね…。
 

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ブラジルの人々の“楽しむチカラ”を、充分すぎるほど体感した「リオのカーニバル」。それはどこまでも眩しく、やっぱり憧れてしまう、彼らの生き方を象徴するお祭りなのでした。

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*世界一周の旅を経て、
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