キレイな思い出だけで、アメリカ大陸を出られると思うなよ… byパナマ
【day】74日目
【route】パナマシティ
前回の「旅の日記」に綴ったとおり、ジャマイカからパナマの首都・パナマシティへとやって来た私たち。トランジットのための滞在とはいえ、フリータイムは丸一日あるので、街へと繰り出します。
そうなると、目的地はもちろん・・・
パナマ運河!!!
・・・と、いきたいところですが、パナマシティ中心部から最も近い「ミラフローレス水門」まででも約6〜7kmと距離があり、タクシー代は往復US$30≒¥3,300、さらに入場料だけで一人US$8 ≒¥880、クルーズを楽しもうものならUS$115〜 ≒¥12,800〜…というように、節約旅行の私たちにとっては痛すぎる出費、、、
今回とは別に、中米縦断の旅も画策しているので、パナマ運河はまたそのときにしよう……ということで、この日は世界遺産のカスコ・ビエホを訪ねることにしました!
カスコ・ビエホとは、何なのかというと・・・
高層ビルが林立する、パナマシティの新市街がありまして・・・
パナマ湾を挟んでその向かい側には・・・
新市街とは対照的なエリアがあるのですが・・・
そう、ここが「パナマ歴史地区」といわれる旧市街、その名もカスコ・ビエホです!
スペイン植民地時代の遺跡が残るパナマ・ビエホが1997年に、そして旧市街のカスコ・ビエホは2003年に、ユネスコの世界文化遺産に認定され、2つ合わせて「パナマ・ビエホ古代遺跡とパナマの歴史地区」として登録されています。
ちなみにパナマ・ビエホは、カスコ・ビエホから約6〜7kmと距離があるため、パナマ運河と同様に今回は断念しました…。
1671年、イギリスの海賊 ヘンリー・モーガンによってパナマ・ビエホが破壊され、焼失し、そのため街を移したのがここ、カスコ・ビエホでした。
街にはスペイン様式のコロニアル建築が並んでいて、特に、キリスト教教会が非常に多いエリアです。東西1km×南北1km程度の広さにも関わらず、「カテドラル/Catedal」をはじめ、なんと主要な教会が5つも立っています。
このことからもわかるように国民の多くはキリスト教徒で、『地球の歩き方』によれば、「カトリック93%・プロテスタント6%」…だそうです。「その他」が 1%だけというのは、なかなか驚き!
それを物語るかのように、街中ではキリスト教徒によるパレードが一日中行われていました。
ちなみに、民族構成としてはメスティーソ(白人とラテンアメリカの先住民の混血)がその大半を占めていますが、クナ、グアイミーといった先住民も健在で、ここカスコ・ビエホでもその姿を見かけることができました。
驚いたのは、奥さんはバッチリ民族衣装だけど、旦那さんは洋服……といった家族を何組か見かけたこと。というか、民族衣装姿の男性は一度も見かけなかったのです……う〜ん、不思議です。
服装といえば、パナマに来て忘れちゃいけないのは、なんといってもパナマ・ハット!
この夏用のつば付き帽子。なぜパナマ・ハットと呼ばれるようになったかというと、パナマ運河の建築を手がけた男性たちが被っていたから……という説が有力なのだとか。
長旅にはかさばるので、もちろん買いませんでした(笑
小腹が空いたな〜と思いながら旧市街を北上すると、地元民から旅行者まで、たくさんの人でごった返す食事エリアを発見!
これ幸いと突入してみると、「メルカド・デ・マリスコス/Mercado de Mariscos」という魚市場でした!
魚市場の目の前にはパナマ湾に面した漁港があって、そこで水揚げされたばかりの魚介類を市場で販売しているのはもちろん、市場内外のレストランで提供もしているのだとか。つまり、パナマの築地市場ですね。
そうと知ったら食べないわけにはいかない!…と、エビのセビッチェをパクリ!!
・・・あまり美味しくなかったです(苦笑
ちなみに、なんとこの水産市場、JICAパナマとパナマ市の協力によって、1995年に完成した施設なのだとか。
・・・あれれ? タックス・ヘイブンの国・パナマには、世界中から大企業が集まって、JICAの援助など必要ないほど、かなり潤ってるんじゃないの? その象徴が、あの新市街の光景だよね?
いやいや、その新市街の目と鼻の先で、ちょっと路地裏に迷い込めば、ほら、このとおり。
「パナマの中に、貧しいもう一つの国がある」…と言う人もいるほど、中南米のなかでも最も貧富の格差が大きい国の一つ、パナマ。
富裕層は、日本のちょっとした金持ちなんて比にならないほどリッチな生活を送り、逆に貧困層は、日給US$5〜6 ≒¥550〜660程度でなんとか生き存えている。
それが、この国の現実。
次はヨーロッパだという安堵もあって、なんとなくユルめに終えようとしていた、アメリカ大陸の旅。まるでそれを見透かされていたかのように、否応なしに目に飛び込んで来る、パナマの強すぎるコントラスト。
そして思い出させる、悲しいかな中南米諸国が平等に経験した被侵略国としての歴史と、それが現代にまで暗い影を落としていることを、目の当たりにした場面の数々。
美しい思い出だけでなく、無力感に苛まれるような、この目で見た現実も全部抱えて、アメリカ大陸を旅立たなければ。
・・・そんな振り返りのきっかけをくれた、短すぎるパナマ滞在なのでした。
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*世界一周の旅を経て、
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