ガラパゴスの旅を終え、この島のツーリズムを考えてみた
【day】60日目
【route】サンタ・クルス島→バルトラ島→キト
4泊5日のガラパゴス諸島ツアーを終え、ついにエクアドルの首都・キトへと戻ります。
・・・と、その前に軽く旅をふり返り。
サン・クリストバル島では、アシカと一緒にグラビア撮影をしたり・・・
サンタ・クルス島では、ゾウガメの楽園を訪ねたり・・・
イグアナの頭が白い理由に、キュンとしたり・・・
おそらく、世界で最もカオスな魚市場を訪ねたり・・・
イサベラ島では、赤道直下ですい〜っと泳ぐペンギンを発見したり・・・
・・・というように、まさに、ここは夢か幻か?…な世界で過ごしたわけですが、5日間じゃ全然足りない! 時間とお金さえあれば、2週間はいたいくらい!…というのが、正直なところ。
しかし残念ながら、今回はそれは叶わないので…というかそれ以前に、「そもそもおまえら、世界の郷土菓子の取材しろよ!」…と自分たちにツッコミを入れつつ、泣く泣く荷物をまとめる私たちなのでした。
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サンタ・クルス島から首都・キトへと飛行機で戻るために、空港のあるバルトラ島へと車で向かいます。
サンタ・クルス島の中心地である「プエルト・アヨラ/Puerto Ayora」から、バルトラ島の空港までは所要2時間かかりますが、最後までナチュラリスト(ガイド)が面倒をみてくれます。
途中、「ロス・ヘメロス/Los Gemelos」という、マグマ溜りの崩壊によって生まれた、巨大な穴が見られるスポットに立ち寄ってくれました。
ガラパゴス諸島は火山によってできた島であり、ここサンタ・クルス島も、島が丸ごと休火山なのだ!
…と、最終日の、しかも帰り道だというにも関わらず、熱心にガイドしてくれるナチュラリストのプロフェッショナルぶりには、最後まで脱帽。
プエルト・アヨラから車で行くこと1時間強、まずは船着き場に到着。
そして、対岸に見えるのがバルトラ島です。
そう、てっきり空港までは車で行けるものかと思いきや、一旦、ボートでサンタ・クルス島→バルトラ島へと渡らねばならないのだそうです。
島と島との間はわずか500mほどしか離れていないのだけど、環境保護のために橋を架けるのは禁止されているのだとか。
バルトラ島の船着き場に到着したら、今度はそこからバスに乗り込み、20分ほど走ると・・・
・・・ようやく空港に到着しました!
ガラパゴスの玄関口が、なぜ観光拠点からこんなにも離れているのか? なぜこんなにもアクセスの不便なところに建てられたのか?
…と、不思議に思ったのですが、そもそもバルトラ島は第2次世界大戦中にアメリカ軍基地となっていたそうで、それを再利用するカタチをとった、という経緯があるのだそうです。
アメリカ軍基地があったなんて知らなかった……最後まで驚かされるガラパゴスの旅。
ご丁寧に空港まで見送ってくれたナチュラリストに感謝の気持ちを伝えつつ、ついにガラパゴス諸島ともお別れ。またね〜…いつか子どもも連れて、また来ます!!
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2007年に実は一度、危機遺産リストに登録されたことのあるガラパゴス諸島。
その原因は、1990年代以降の急速な観光地化の影響による、環境汚染・環境破壊でした。
努力の甲斐あって2010年に危機遺産リストからは除外されましたが、過去の反省から、今なお精力的に環境保全のためのさまざまな活動が展開されています。
そういった中にあって、私たちの体感としてはやはり、ナチュラリストの存在が非常に大きいように思いました。
ガラパゴス諸島では、「ナチュラリスト」とよばれる公認免許をもったガイドと一緒でなければ、観光やアクティビティに参加できません。
そのため私たちも4泊5日のツアーで、主に3名のナチュラリストにお世話になりましたが、皆ガイドとしてのレベルが非常に高いことに、とにかく驚きでした。
基本的にはその島の出身者や住民ではあるけれど、それにしてもガラパゴスの生態系から歴史まで、相当勉強しているんだな〜ということを容易に想像できる、圧倒的な知識量。
さらに、ただ案内して周るだけでなく、旅行者に「ガラパゴス国立公園規定」を徹底させることから、危機管理まで、すべてにおいて妥協を感じさせないのが、すばらしかった。
そしてなによりも特筆すべきは、彼らのガラパゴス愛。
島に対する誇りや敬いを、声を大にして語る彼らは、旅行者に対する迎合とは無縁。毅然とした態度でアテンドするその姿は、カッコ良さすら感じさせるのでした。
ナチュラリストの教習や資格供与システムは、一体どのように実施されているのか、個人的には非常に気になるところであります。
「絶景」や「爆買」をはじめとする、わかりやすく表面的なアイコンで煽動する消費型ツーリズムではなく、結局はこういった地道な人材育成と、旅行者への本当の意味での丁寧な対応が、観光立国をカタチ作るのではないかなぁ…
・・・と、結局最後は故郷に思いを馳せた、ガラパゴスの旅なのでした。
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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