NOT ポルトガル由来! ブラジルで誕生した郷土菓子、ここにアリ!
ブラジルの“ボンボンショコラ”にあたる、ひと口サイズのチョコレート菓子「Brigadeiro/ブリガデイロ」。
街中のパティスリーでよく目にするこの郷土菓子大きさは、ひと口サイズが基本型。
もちろん一個から購入できますが、みんなでワイワイと楽しむお誕生日などでは大量に買い込まれ、ブラジルのパーティーには欠かせないものなのだそうです。
パーティーの1~2週間前から色々なタイプを試食して、その組み合わせを選ぶほどこだわる人もいるそうで、もはやメインの誕生日ケーキ以上に主役級の役割を果たすお菓子…と言っても過言ではありません!
基本的な作り方は…
コンデンスミルクとココアパウダー、場合によってはバターや生クリームを合わせて混ぜ、滑らかになるまで加熱。少し冷ましてからバターを塗った手で丸め、最後にチョコスプレーをまぶします。
クラシカルなスタイルは球体で、周りにチョコスプレーを纏ったタイプですが…
最近では、黒いチョコスプレーだけでなく、ナッツやカラフルなチョコを纏わせたり、また、形も球体のみならず、様々なスタイルのものが売られています。
…というわけで今回は、その中のひとつをトライしてみました!
ガナッシュクリームのように濃厚な味わい。甘くてずっしりしているので、ひと口サイズと言っても、かなりの満足感があります! 値段も一個R$3 ≒¥90とお手頃♪
・・・さて、このブリガデイロ。何故ゆえに、ここまでブラジルの人々の間で愛されたのでしょう? 調べてみるとその理由は、この郷土菓子の誕生秘話にあるのかもしれない…ということがわかりました。
これまでブラジルをはじめ南米各地で出会った郷土菓子は、植民地時代にポルトガルやスペインから伝えられ…といった背景がほとんどでした。…が、なんとブリガデイロは、紛れもなくここブラジルで、イチから生まれたお菓子だったのです!
「Brigadeiro」はポルトガル語で「准将」の意。そしてなぜこの名前が付けられたかというと、ブラジルの政治家エドゥアルド・ゴメスの、空軍在籍時の地位に由来しているのだそうです。
1940年代に大統領選へと出馬したゴメスでしたが、その際、彼の夫人が選挙のキャンペーンの中で用いるために発案し、振る舞ったお菓子が、何を隠そうブリガデイロだったのだとか。
結局ゴメスは、大統領選挙に二度出馬するも落選…。しかし皮肉なことに、人気を博していたブリガデイロの支持はその後も衰えることなく、いつしかこのお菓子の名はブラジル全土にまで広がるようになりました。
当時のブラジルのお菓子は、そのほとんどをヨーロッパからの輸入に頼っていたのですが、ゴメス夫人が生み出したブリガデイロはとてもシンプルで、家庭でも簡単に作れるレシピだったことが、国民的人気を得るに至ったポイントだといわれています。
また、ブラジルの各家庭には必ずあるといっても過言ではない材料、「コンデンスミルク」と「ココア」を使ったお菓子であったことも、その要因のひとつのようです。
そしてなによりも、熱帯地域の気温の中で溶けやすいチョコレート菓子を楽しむなんていうのは、当時のブラジルでは簡単なことではありません。
そんな中、照り付ける太陽の下でも溶ける心配のなかった、ココアクリームの詰まったブリガデイロの登場は、庶民にとって格別の喜びだったことでしょう!
ブラジル生まれの郷土菓子「ブリガデイロ」は、ひと口サイズながら濃厚で、まるでブラジルの人々のエネルギーを凝縮したかのような郷土菓子なのでした♪
あや
【今回「Brigadeiro/ブリガデイロ」を購入したお店はコチラ】
ウィーヴェ/Weeve
住所:Rua Rodrigo Silva,18|Loja A,Parte,Rio de Janeiro,Brazil
HP:http://www.weeve.com.br/
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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