「フランスのマリリン・モンロー」が名付け親の郷土菓子!?
一年を通して温暖で、乳製品の生産が少ない地域であることから、生菓子より焼き菓子が広く普及しているプロヴァンス地方。
これまでにも、南仏を代表する焼き菓子として・・・
・・・紹介してきました。
しかしそんな中でも、珍しくクリームを使った郷土菓子を発見することができました!
それがこちらの、「Tarte Tropézienne/タルト・トロペジエンヌ」。
フランス南部の風光明媚な保養地・コートダジュールに位置するサントロペ発祥の郷土菓子で、今ではフランス全土で人気を博しています。
平たく言えば、とある街の、とあるクリームパンだったタルト・トロペジエンヌですが、なぜ全国区の人気を誇るようになったかというと、美味しさだけでなく、フランスの “超” 有名人が名付け親だということも大きく影響しているそうです。
さて、その“超” 有名人は誰かというと・・・
・・・なんと、「フランスのマリリン・モンロー」と形容された、20世紀のヨーロッパを代表する女優 ブリジット・バルドー!
元々名前すらなかったこのスイーツが大好物だったブリジット・バルドー。あまりに好きすぎて「このケーキに名前を付けたら?タルト・トロペジエンヌなんてどう?」…と提案したことがきっかけで、1960年代に商品として誕生することとなったのだそうです。
※「タルト・トロペジエンヌ/Tarte Tropézienne」=「サントロペのお菓子」という意味。「Tropézienne」という単語には、「サントロペの女性」という意味もあります。
さて、そんなタルト・トロペジエンヌですが、一体どんな郷土菓子なのかというと・・・
ベースは、バターと卵を使ったリッチなパン生地・ブリオッシュ。
それを円型に平たく成形して、トップには粒の大きい砂糖を飾り、焼き上げます。そして上下半分にスライスしたら、香り付けしたシロップをたっぷり染み込ませる。
ここで使われる香りは、主にオレンジフラワーウォーター。オレンジの花の蕾を蒸留して得たエッセンスで、清涼感のある独特な香りが、オレンジの果実とはひと味違った風味をもたらします。
南仏のお菓子の香り付けとしてはよく使われるのですが、馴染みのない日本人にとっては好みの別れる香りかと…!
他にはグラン・マルニエ(オレンジ風味のリキュール)や、キルシュ(サクランボのリキュール)で香り付けしたシロップを使うタルト・トロペジエンヌもあるそうで、これはもはや単なるクリームパンではなく、立派なケーキのようなものですね〜!
そして中身には「クレーム・ムースリーヌ」と呼ばれる、カスタードクリームをベースとしたバタークリームの一種が使われます。
食べてみると、ふんわり軽めのブリオッシュと、口当たりの滑らかなクリームで、見た目より軽い食感♪ トップのお砂糖はカリカリしていて、アクセントとして効いています!
とても素朴なお菓子なので、この上品な味を実現するには、素材選びと全体のバランスの取り方に、作り手はかなり神経を使っているはず。
タルト・トロペジエンヌのようなシンプルなお菓子にこそ、綿密に計算し尽くされた職人技が隠れているのだ〜!……と、スイーツの聖地・フランスで改めて原点に立ち返った、旅するパティシエなのでありました。
あや
【今回「Tarte Tropézienne/タルト・トロペジエンヌ」を購入したお店はコチラ】
ブーランジェリー・ルビオ&パティスリー/Boulangerie Rubio & Patisserie
住所:23 rue Cornot, 13210 Saint Rémy de Provence, France
HP:なし
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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実は私もアヴィニョンには特別な思いがあります。
でもお菓子は クロッカンもこの タルト・トロペジエンヌも 知りませんでした。
教皇宮殿前の広場のすぐ近くに ラ・トロペジエンヌというお菓子やパンを売っているお店があって、当時は奥さんが日本人女性の若い夫婦が作っておられました。(今はその夫婦はお引越しされ 別の方がそのお店をなさっているとか)このお菓子と お店の名前 関係があるのかも・・ですね。
「ラ・トロペジエンヌ」といえば、まさにタルト・トロペジエンヌ発祥のお店ですよ〜!!今回私たちはスケジュールの都合で行けなかったので、ふらんすびいきさんがうらやましい…!
それにしても、前のご主人の奥さんが日本人女性だっただなんて知らなかったので、びっくりしました。ぜひお話を聞いてみたかったです…!
ブリジット バルドー命名のお菓子も美味しそう!!
はじめは単なるクリームパンかと思っていたけど……さすがスイーツ王国・フランスでした!