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港町ならではの、船のカタチをした “お守り郷土菓子”♪


一年を通して温暖で、乳製品の生産が少ないプロヴァンス地方では、バターや生クリームを使った郷土菓子はあまり見かけず、その分、シンプルな焼き菓子のラインナップが豊富です。

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オリーブオイルやハチミツ、松の実、アーモンド、そしてプロヴァンス地方特産のフルーツなどを使った焼き菓子が、パティスリーには所狭しと並んでいます。

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その中でも私が注目したのが、こちらの「Navettes/ナヴェット」(正式名称は「Navette de Saint Victor/ナヴェット・ドゥ・サン・ヴィクトル」)。

オリーブオイルとオレンジフラワーウォーターを練りこんだ、港町・マルセイユ発祥の焼き菓子(100g €2.50 ≒¥308)です。

「Navettes」とは、フランス語で「小船」という意味。細長い棒状にして、中央に一本の切れ目を入れ、その名のとおり船を象っています。


さて、どうして「小舟」のカタチをした郷土菓子が誕生したのかというと・・・・

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18世紀末、マルセイユの港に木製の彫像が乗った小舟が打ち上げられ、それがある者には聖母マリアに、またある者には海の守り神に見えたことから、聖人が舟を使って遣わしたに違いないとされ、以来、この一件はマルセイユの伝説となりました。

そして、この伝説が風化しないようにという想いから、マルセイユの老舗ベーカリー「フール・デ・ナヴェット/Four des Navettes」が1781年に考案したのが、小舟のカタチをした「ナヴェット」だった……というわけです!

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現在では南仏全域で定番のお菓子となったナヴェットですが、味付け・形・大きさなどは、各地域で様々。私は今回、アヴィニョン版ナヴェットをトライしてみたわけですが……かなり硬く、甘さも極端に少なく、そう、それはまるで乾パンのよう!

しかしそれもそのはず、ナヴェットは元々、船乗りたちの保存食として活躍していたのです。

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一年以上も日持ちもするナヴェットは、マルセイユの港から出航する船乗りたちにとっての重要なリスクヘッジであり、また、前述の船型の由来からもわかるとおり、航海の安全を願うお守りとも考えられていたそうです。

ちなみに、2月2日の「シャンドリュールの日(聖母お清めの祝日)」のマルセイユでは毎年、大司教自らがベーカリーに出向き、焼き上がったナヴェットをオーブンから取り出すという儀式が行われていたのだとか。

修道院でミサを行った後、市民がそのナヴェットを購入し(なんと1万個近く売れるのだとか!)、お守りとして1年間保管する…というのが、この街の風習なのだそうです。

こういった背景から、縁起物の贈答品としてナヴェットを購入する人も増え、徐々にマルセイユ以外の地域へも広がっていったのだとか。

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次にプロヴァンス地方を訪ねる際には、2月2日のマルセイユで、港町ならではの郷土菓子が巻き起こすカルチャーを生で体感したいと思います♪

あや
 


【今回「Navettes/ナヴェット」を購入したお店はコチラ】

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ル・パニエ・プロヴァンサル/Le Panier Provençal
住所:Place pie, 84000 Avignon, France(「Les Halles」というマルシェ内にあります)
HP:http://www.avignon-leshalles.com/


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\世界一周を終え、カフェをopen/



2 thoughts on “*世界の郷土菓子* フランスの「Navettes/ナヴェット」

  1. ナヴェットの話と写真よかったです。特に文ちゃんの写真いいですね。

    • ありがとうございます♪ フランスはどこを撮っても画になりますね〜

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