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フランスで元祖・マカロンに出会ったら、その正体はお饅頭でした?


今や世界中で大人気のスイーツ「Macaron/マカロン」。つるんとした表面がカシャッと割れて、中からしっとりとしたフィリングが現れる、キュートなメレンゲ菓子ですが・・・

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・・・実は、私たち日本人に馴染み深いこのスタイルが生まれたのは、ごくごく最近のこと。正式には「マカロン・パリジャン(パリ風マカロン)」と呼び、1930年代にフランス・パリのパティスリーが考案したことで、世界中に広まりました。

この「マカロン・パリジャン」が世界的に有名になるずっと昔から、なんとフランスの各地方にはすでに様々なマカロンが存在していて、郷土菓子としてその土地の人々に親しまれていたのだそうです。

・・・そして今回、その内の一つを、フランス・バスク地方はビアリッツで見つけることができました!

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それがこちらの、老舗パティスリー「メゾン・アダム/MAISON ADAM」のマカロン(一個 €1.00 ≒¥123)。シンプルな形と素朴な色味は、私たちに馴染みのあるマカロンとはだいぶ違いますね〜。

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フランス南西部の街、サン・ジャン・ド・リュズに本店を持つ「メゾン・アダム」。

この店で生まれたマカロンは1660年、フランス国王 ルイ14世とスペイン王女 マリー・テレーズの挙式に際して、王室御用達のパティシエだったアダム氏が献上したのがはじまりとされ、今でも当時のレシピを守り続けているそうです!

そんな歴史も踏まえつつ早速、バスク地方に伝わる元祖・マカロンを頂いてみます。

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薄っすらと焼色の付いた表面はやや歯応えがあり、中にはアーモンド菓子特有の香ばしさが広がっています。食感は、半生のようなしっとりとしたやわらかさ。

アーモンドプードル・粉砂糖・卵白といった使われている材料は同じで、どうやら私たちのよく知る、「メレンゲ菓子」としてのマカロンの基本的な構成と変わりはないようです。

しかし、砂糖の配合や焼き加減で、こんなにも違うお菓子が生まれるとは驚き! また、使われているアーモンドが新鮮で良質であることが、美味しさの大きな別れ道になるのだということも実感しました。

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ちなみに、バスク地方のマカロンには他にも「Macaron Mouchu/マカロン・ムシュ」(一個 €1.00 ≒¥123)という種類もあります。

バスク語で “キス” を意味する「Musu」 が派生して、フランス語では「Mouchu」となり、そして唇の形に似ていることから、このマカロンが「Macaron Mouchu」と名付けられたのだとか。

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中に何も挟まず、2枚の生地を重ねたマカロン・ムシュ。軽い口当たりで、郷土菓子らしい、とっても素朴な味わいでした♪


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・・・というわけで、バスク地方のマカロンに出会えたことで、すっかり火が付いてしまった私、旅するパティシエ。さらに歴史を調べてみると、驚くべきことにそのルーツは、中東にありました!

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マカロンの原型はなんと、10世紀頃にアーモンドなどの食材と共にイタリアに伝来した、アラブ諸国のお菓子。う〜ん、これは今後予定している、中東の旅のチェック項目に加えなければ!

なお、「イタリアに伝来」と書きましたが、フランス生まれのお菓子と思われがちなマカロン、実は発祥はイタリアなのです。「マカロン/Macaron」という名も、イタリア語の「マカローネ/Maccherone」から派生したものなのだとか。

16世紀、イタリアはフィレンツェの大富豪・メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスが、フランス国王 アンリ2世に嫁いだことがきっかけで、イタリアの食文化もフランスへと伝わりました。

それに端を発して人気を博したマカロンは、修道院を通してフランス各地へと広がり、それぞれの地方色を加えながら定着していったのだとか。そのマカロン伝来の地の一つが、ここバスク地方だったいうわけです。

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女子ウケするかわいいスイーツとして、日本で一大ブームを巻き起こしたマカロン。

でもフランスの人々にとっては、日本のお饅頭や最中のように素朴で、昔から身近な存在だった……という事実を目の当たりにしたことで、なんだか無性にマカロンに愛着が湧いた、元祖・マカロン探しの旅なのでした。

あや
 


【今回「Macaron/マカロン」を購入したお店はコチラ】

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メゾン・アダム/MAISON ADAM(ビアリッツ店)
住所:27, Place Clemenceau, 64200 Biarritz, France
HP:http://www.maisonadam.fr


【今回「Macaron Mouchu/マカロン・ムシュ」を購入したお店はコチラ】

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メゾン・パリエス/Maison PARIES
住所:1, Place Bellevue, Biarritz, France
HP:http://www.paries.fr/


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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!




4 thoughts on “*世界の郷土菓子* フランスの「Macaron/マカロン」

  1. マカロンといえば アミアンのマカロンもぜひ食べてみてください。地方によって マカロンも違うようですね。

    • ふらんすびいきさん、コメントありがとうございます♪

      アミアンのマカロンといえば、ピカルディー地方の郷土菓子ですね!ぜひトライしてみようと思います〜

    • 太田さん、ありがとうございます♪

      ますますマカロンが好きになりました〜!

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