スパイスの効いたシロップがポイント…「キューバ風マフィン」!
前回の「旅の日記」に綴ったとおり、首都・ハバナですら少し観光エリアを外れるだけで、飲食店を見つけることも困難な、社会主義国・キューバ。
嗜好品であるスイーツを扱うパティスリーなんてものは、街を歩いていてもほとんど見かけることはありません。
あったとしても、とてもじゃないけどパティシエの仕事とは思えないようなスイーツが並ぶ、商店ばかり…。
一般的にキューバの代表的な郷土菓子といわれる「フラン/Flan」や「トレス・レチェ/Tres Leche」でさえ、簡単に見つけることはできず・・・
・・・地元の人々の動きを観察していると、カラフルなバタークリームがのった、ジャンクなスポンジケーキが人気のようです、、、
キューバでは郷土菓子に出会うことすらできないのか?……と、諦めかけていたところ、今までとは明らかに様子の違うお店を発見・・・
・・・おおっ! ここは確かに、パティスリーではありませんか!
ショーケースの中を見れば、間違いなくパティシエの仕事であろうスイーツがずら〜り。
キューバにだってこういうお店があるんだ……と、発見した喜びに浸っていると、早速、地味で素朴な(笑)、“郷土菓子オーラ”を放つスイーツを見つけました!
それがこちらの「Cabezotes/カベソテス」(一個3CUP ≒¥14)。
随分と黒々としているな〜と、驚いていたけれど・・・
あとでわかったのは、単に焼きすぎで焦げていただけで、一般的なものは普通のキツネ色だということ(苦笑
それでも、「香ばしいな〜」というくらいで問題なく食べられたのは、カベソテスには甘いシロップがたっぷりと染み込んでいるから。
甘さ控えめで、卵を贅沢に使った柔らかいスポンジに、スパイスの効いた甘いシロップが浸されています。
このカベソテス、欧米のお菓子で例えるなら、まさに「キューバ風マフィン」。さらに、このように焼き上がりの生地を甘いシロップに漬けるスイーツは、ヨーロッパ各地に多く存在しています。
…それもそのはず、南米諸国と同様に中米・キューバも、大航海時代から続いたスペインなどによる植民地支配の歴史を経ているため、食文化も西欧諸国の影響を色濃く残しているのです。
きっとこのカベソテスも、元々西欧から入ってきたものが、長い歴史の中でキューバならではの独自の変化を遂げ、定着していった郷土菓子なのでしょう。
極端に情報の少ないキューバの郷土菓子。まだまだリサーチは必要ですが、なんにせよ、やっと出会うことのできたキューバの郷土菓子に小躍りする、旅するパティシエなのでした♪
あや
【今回「Cabezotes/カベソテス」を購入したお店はコチラ】
スレイディス/Suleidis
住所:Lealtad ♯402, San Rafael & San Jose, La Habana, Cuba
HP:なし
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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