「音楽は、世界を変える」 って、そんなことできっこないでしょ?
【day】68〜70日目
【route】キングストン
前回の「旅の日記」に綴ったとおり、ジャマイカは首都・キングストンに到着した私たち。
キングストンでは街中でレゲエが流れている……という話しをどこかで聞いたことがあって、いやいや、それはさすがに大ゲサでしょ〜と思っていたのだけど・・・
・・・本当でした(笑)。 街の食堂に入れば店内にDJがいたり、公共交通機関を利用すれば車内で爆音のレゲエが流れていたりと、ここまで音楽が生活に溶け込んでいる社会に飛び込むのは初めて。
しかしも感心するのは、ルーツ、ダンスホール、ダブなどの違いはあれど、基本的にはレゲエしか聴こえて来ないということ……これは本当にスゴイことです。
かなり乱暴な例えだけど、東京を歩けば聴こえてくる音楽は演歌オンリー! もちろん、ド演歌もあれば、ムード歌謡もあるけどね♪ ……というような状況なわけです。
そんなわけで、レゲエは単なる音楽に非ず、ジャマイカ人にとってのアイデンティティなんだなぁ…と、街歩きをするだけでもしみじみと感じられるわけですが、レゲエを語るにはやはり、この方に会いに行かねばなりません・・・
“レゲエの神様” ボブ・マーリー!
さすがジャマイカの英雄……生誕50年記念の際に作られた切手もありました!
・・・というわけで今回は、ボブ・マーリーゆかりの地を巡る旅。キングストンにある代表的な3つのポイントに行って来ました。
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まず1つ目は、「トレンチタウン・カルチャー・ヤード/Trench Town Culture Yard」。
ボブ・マーリーが貧しい少年時代を過ごした家で、かつてはイギリスのチャールズ皇太子も訪れた場所。しかし所在地であるトレンチタウンは、悪名高きスラム街であることは有名です。
目的地だけ、ささ〜っと行って、ささ〜っと帰ってきたかったのですが、なかなかどうしてたどり着くのは大変でして・・・
まずはアップタウンからダウンタウンまで、ローカルバスで向かいました。そして降ろされたのは、「ナショナル・ヒーローズ・パーク」というダウンタウンの中心にある大きな公園の近く。
さぁ、ここからは超危険地帯。トレンチタウン・カルチャー・ヤードまで距離的にはそう遠くはないはずだけど、歩いて行こうものなら、死にに行くようなものです、大げさではなく。
すぐにタクシーに乗り込もう!…と決めていたのですが、誤算だったのが、地元の人がトレンチタウン・カルチャー・ヤードの存在をほとんど知らなかったということ。
しかも、やっと知っている人を見つけたと思ったら、「ここではそのタクシーはつかまらないよ。向こうのブロックまで歩いていきな」…と、恐怖のダウンタウン散歩をせざるを得なくなることに。
キングストンではどうやら、ある一定のブロックごとにタクシーを走らせることのできる範囲が区切られているようで、必ずしもA地点→C地点までダイレクトで行くことはできず、場合によってはA地点→B地点→C地点と乗り換えをしなければいけないようです。
(かなりややこしかったので、理解が間違っているかも…)
ツメが甘かった…と反省しつつ、なんとか事なきを得て、トレンチタウン・カルチャー・ヤードに到着!
入場料は一人US$12 ≒¥1,300。なお、この入場料はトレンチタウンの環境改善のために使われているのだとか。
そして、苦労してたどり着いたその先には・・・
はい!!「カルチャー・ヤード」という謳っているわりには、特になにもありません!笑
ボブ・マーリー像もなんか雑! しかも似てない!苦笑
しかし、ボブ・マーリーが少年時代を過ごした部屋を見られたのは、なかなか感動でした。いやはや、本当に貧しい生活だったんだなと、、、
ボブ・マーリーが若かりし頃に乗っていたという車。後にランドクルーザーを乗り回す男が、売れない時代はワーゲン・ヴァンに乗っていたというあたり、ぐっときます。
ボブ・マーリーのサインと共に、オリジナル盤と思われる『NO WOMAN NO CRY』のレコードなども展示されていました。けっこう雑に(苦笑
敷地内には、トレンチタウンの子どもたちが遊びに来ていました。この場所で楽器の練習をしていることに、なんだか感動してしまうのでした。
こちらはおそらく、トレンチタウンの名物おじさんにして芸術家の、ストーン・マン氏。なぜ “おそらく”かというと、「ONE LOVEとは何か」についてマシンガントークが続き、結局どちら様なのかを聞くことができなかったのです(笑
なお、敷地内にいるほかの地元の大人たちは、呆れるくらい、延々とガンジャ(マリファナ)を楽しんでいました(笑
敷地外をチラ見すると、こんなカンジの様子。こうやって見ているだけだと、あまり危険なニオイはしないのですけどねぇ…。ガンジャのニオイはするけど…(笑
・・・というわけでひと通り見学を終え、帰りはトレンチタウン・カルチャー・ヤードのスタッフの方にお願いして、宿までダイレクトで帰れるタクシーを呼んでもらうことに。
行きで直面したように、ブロックをまたがるタクシーの手配は難しいようで、スタッフの方もなかなか苦労していました。それでも私たちのために頑張ってくれたのは、なんと激しい地区闘争が勃発していて、ダウンタウンが大変危険な状態にあるからなのだとか…。
しかもその中心地は、「ナショナル・ヒーローズ・パーク」周辺………って、あぶなー!! まさにバスから降ろされたところじゃないか…!
・・・というわけで、もしトレンチタウン・カルチャー・ヤードにどうしても行きたいという方は、経験上、ツアーなどに参加することを、心から激しくおすすめします、、、
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2つ目は、「ボブ・マーリー博物館/Bob Marley Museum」。
ボブ・マーリーが1975年、つまり有名になってから住み始めたアップタウンにある家で、現在では博物館となっています。入場料が一人US20$ ≒¥2,200もかかるのは衝撃的だったけど、ガイドツアー込みで、最後はショートムービーまで用意されていて、結果としてかなり満足度高かったです。
ゲートをくぐると、ボブ・マーリーの銅像がお出迎え。
そしてこちらが、ボブ・マーリーが住んでいた家。
ちなみに、なんとここは、ボブ・マーリーとザ・ウェイラーズが作ったレーベル「タフ・ゴング」のスタジオでもありました!
庭を囲む塀には、ボブ・マーリーの生涯を追った写真が。なお、手前の芝生は、ボブ・マーリーが生前によくサッカーをしていた場所。まさかここで足を怪我して、それが原因で皮膚ガンとなり命を落とすことになろうとは…。
ここは、ボブ・マーリーがいつもガンジャを吸っていたという、彼のお気に入りの場所。ボブ・マーリーに思いを馳せて、夫もスパ〜ッ……タバコなので、くれぐれも誤解なきよう(笑
おまけ。ボブ・マーリーの真似をする妻。
館内では、レコーディングスタジオやステージ衣装、愛用のギター、暗殺者に襲われた際の壁の弾痕などを見学できました。…が、残念ながら撮影禁止のため、その様子はお伝えできず、、、
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そして3つ目が、「ボブ・マーリー像/Bob Marley Statue」と「ナショナル・スタジアム/Nacional Stadium」。
ジャマイカに数体あるボブ・マーリーの銅像の中で、ナショナル・スタジアム横にあるこの像が最も有名。
そしてナショナル・スタジアムは、ボブ・マーリーを知る上ではとっても重要な場所。そう、ここは、1978年に開催されたイベント 「ワン・ラブ・ピース・コンサート」の会場なのです。
3万人の観衆が見守る中、抗争を繰り返していた与党と野党の両党首を、ボブ・マーリーがステージに上げて握手を促し、和解を実現させたあの歴史的瞬間!…と言えば、ご存知の方も多いはず。
ちなみにこのナショナル・スタジアムでは1981年、ボブ・マーリーの葬儀も行われました……なんと「国葬」で。
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「音楽は、世界を変える」
音楽は好きだけど、そんなことは出来るはずがない。
音楽は、音楽でしかない。
・・・そう思っていたけど、ボブ・マーリー、そしてレゲエを通じてジャマイカの現実を目の当たりにしたとき、その考えはあっという間に覆された。
ジャマイカでは、政治的にも、経済的にも、社会的にも、音楽が具体的かつ大きな影響力を持っている。
音楽のチカラはすごい。
陳腐だけど、そう素直に思えたことが、なんだか妙にうれしくもある旅なのでした。
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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