名脇役が、アルザスでは主役に躍り出る郷土菓子!?
ドイツ定番の郷土菓子といえば、フルーツを焼き込んだタルトやパンの上に、そぼろ状の「Streusel/シュトロイゼル」という生地をのせた焼き菓子。
※ドイツ語→ Streusel(シュトロイゼル)、英語→ Crumble(クランブル)
薄力粉・バター・砂糖を合わせて、ホロホロの状態にした生地のシュトロイゼルは、カリカリの食感と香ばしさを楽しめるのが最大の魅力です。
そんなシュトロイゼルは、ドイツと目と鼻の先の、ここフランスはストラスブールでも大人気でした!
まず気になったのが、ストラスブールの老舗パティスリー「クリスチャン/Christian」で発見した・・・
「Tarte aux pommes/タルト・オ・ポメス」(一カット €3.35 ≒¥412)。
平たくいえば “りんごのタルト" なのですが、このフルーツタルトにもなんと、シュトロイゼルが使われていたのです!
フルーツタルトは今や世界中で、フランス発祥のお菓子として知られていますが、元々はここ、アルザス地方で生まれた郷土菓子といわれています。
ドイツのシュトロイゼルと、フランスのフルーツタルトが融合した「タルト・オ・ポメス」……これぞまさに、アルザスならではのお菓子ですね♪
さて、実際に食べてみると・・・
底の生地に使われているパータ・ブリゼ(練り込みパイ生地)は甘みがなく、それがフルーツの本来持つ甘さと酸味を引き立てるのに一役買っています。
シュトロイゼルはもちろんカリカリ! りんごとよく合うシナモンがほのかに香り、フルーツタルトとの相性は抜群です♪
そしてお次は、こちらも同じくストラスブールの老舗パティスリー「ネゲル/Naegel」で見つけた一品。パン生地にシュトロイゼルを散らした、アルザス定番の菓子パンなのですが・・・
・・・なんとアルザス地方では、この菓子パン自体のことを「Streusel/シュトロイゼル」と呼ぶのだそうです!
バターと卵を贅沢に使ったブリオッシュのようなリッチな生地に、たっぷりのシュトロイゼルのせて焼いた、このお菓子(一個 €1.50 ≒¥185)。
中にクリームやフルーツが入っているわけではなく、とってもシンプルだからが故、ブリオッシュ生地の “フンワリ” とシュトロイゼルの “カリカリ” ……それぞれの食感が際立ち、そしてその違いを楽しむことができます。
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お菓子作りには欠かせないパーツで、個人的にも大好きなシュトロイゼル。
ただ、商品として扱う際には、見栄えのことを考えると使いこなすのはなかなか難しく、あくまで食感にアクセントを加えるための、脇役として位置付けられることがしばしば…。
しかしここアルザス地方では、そんなことお構いなしと言わんばかりに、豪快にシュトロイゼルが使われていて、もはや主役級の扱いと言っても過言ではありません。
見た目は二の次!…という郷土菓子らしさ全開で(笑)、そして、地元の人々に永く愛され続けているシュトロイゼル。
私も見栄えには振り回されすぎず、もっと大胆にシュトロイゼルを使ったお菓子を、日本で作ってみよう!…と、心に決めたのでした♪
あや
【今回「Tarte aux pommes/タルト・オ・ポメス」を購入したお店はコチラ】
クリスチャン/Christian
住所:10, Rue Merciere, 67000 Strasbourg, France
HP:http://www.christian.fr/
【今回「Streusel/シュトロイゼル」を購入したお店はコチラ】
ネゲル/Naegel
住所:9, Rue des Orfevres, 67000 Strasbourg, France
HP:https://www.maison-naegel.com/
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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文ちゃんが毎日美味しいお菓子を食べて太ってしまうのではないかと心配しております。