南フランスの結婚式で生まれた、“幸せを呼ぶお菓子”
ゴッホゆかりの地・アルルを歩いていると、とあるパティスリーで、プロヴァンス地方の伝統的なお菓子を発見することができました。
それがこちら、ゴッホと同じ時代に活躍した画家 ポール・セザンヌの故郷としても知られる、エクス・アン・プロヴァンスで誕生した郷土菓子です。
このお菓子が生まれたのは、15世紀中頃。きっかけは、プロヴァンス王国のルネ王とジャンヌ王妃との結婚でした。
美しいけれど笑顔の少なかったジャンヌ王妃。ルネ王が、結婚式では彼女に微笑んでもらいたいと願い、宮廷の菓子職人に命じて作らせたのが「Calissons d'Aix /カリソン・デクス」でした。
繊細な味わいで、見た目にもかわいいお菓子を口にして、結婚式で思わず笑みがこぼれたジャンヌ王妃……そんなエピソードからカリソン・デクスは、“幸せを呼ぶお菓子” ともいわれているそうです。
ちなみにお菓子の名前は、プロヴァンスの方言で「Di Calin soun(ディ・カリン・スン)」、つまり「抱擁」という言葉から転じたものなのだとか。
地中海周辺で取れたアーモンドとフルーツの砂糖漬けを、ペースト状に練って作られるカリソン・デクス。形はアーモンドの花びらを模しているのだそうです。
元々はメロンやオレンジの砂糖漬けと、オレンジフラワーで風味付けしたものが主流だったそうですが、今ではありとあらゆるフルーツが使われていて、味も色付けもとってもバリエーション豊か。
下準備となるフルーツの砂糖漬けに手間がかかるためか、出来上がったカリソン・デクスは、親指程度の小さなサイズにも拘らず、一個 €1.00 ≒¥123となかなか高価なお菓子なのです。
早速頂いてみると……表面はカリっとした食感の糖衣がけで、中はアーモンドが生み出すネッチリとした食感と、独特の香りが特徴的。
まるで小さな宝箱の中に、南仏の味覚をギュッと詰め込んだかのような、繊細さと大胆さを兼ね備えた、フランスらしい郷土菓子でした♪
あや
【今回「Calissons d’Aix /カリソン・デクス」を購入したお店はコチラ】
パティスリー・ルブラン/Patisserie LEBLANC
住所:37 rue du 4 Septembre, 13200, Arles, France
HP:https://www.facebook.com/masakiyamamotoarles/
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*世界一周の旅を経て、
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幸せを呼ぶお菓子の解説よくわかりました。