どれくらい旅をする? 1年?2年?…それとも3年?
旅するパティシエ, 旅する本屋 の「旅の準備のススメ」。前回は、まず私たちなりに「目標」を決めることの重要性について書きました。
STEP.2では、私たちなりの「期間」の決め方について、書きたいと思います。
期間よりも先に、「目的地」や「訪ねたい国・地域」から決めるという人もいますが、有り余る時間、お金、そして確固たる社会的なポジションを得ている方なら、それでOKだと思います。
世界一周をはじめ長期の旅行に出るということは、その期間が長くなればなるだけ、お金と社会的信用を失っていきます。その現実と自分の身の丈を踏まえて、ある程度の期限を設定しておく方がよいのではないかなぁ、と私たちは考えています。
もちろん、“自由人”として有名な高橋歩さんのように「夫婦で、無期限の世界放浪をする!」…というのもステキだと思います。
ただ忘れてはいけないのが、高橋さんはそれ以前にそもそも、バーを開業したり、出版社を創業したりと、実業家として国内で一定の実績と知名度を持っていたということです。
ご本人はそういうつもりではなかったとしても、無期限で旅したところで、その後の人生をどうにかできるだけの確固たる実力と下地に加えて、「社会的な信用」もすでに得ていたのは紛うことなき事実です。
つまり、期限に囚われたくないのであれば、「それ相応の人間」になってから、もしくは目標を決めて、「結果を出すまでは帰らない」くらいの覚悟を持って旅に出た方がいいと思います。
…と偉そうなこと言ったのも、高橋歩さんの「旅」の側面だけを真似て、帰国後に社会復帰に苦しんでいる人が周りで少なくないので、そんな「旅をして不幸になる人」をこれ以上増やしたくはない、という想いからでした。
ちなみに、高橋さんとは一度だけお酒の席をご一緒させて頂いたことがあるのですが、人間力・胆力もさることながら、なによりも大変な努力家だということに感銘を受けました。まさに、「無期限」と自分で決める資格のある人なのだと思います。
前置きが長くなりましたが、旅するパティシエ, 旅する本屋は、どんなひいき目に見ても、有り余る時間、お金、そして確固たる社会的なポジションはありません(笑
そんな私たちの「期間」の決め方を綴っておきます!
STEP.2 期間を決める
photo by stevepb
「期間」を決める上では、「予算」も同時に考えなければいけません。
なので、ざっくりとお金の話しもしたいと思いますが、内訳などの詳細については「STEP.4 予算を決める」でまとめたいと思います。
また、前回の記事にも書いたとおり、私たちの目的は「世界一周」することではではありませんが、あくまでわかりやすいように、以下のとおり期間⇄旅行費用の関係をまとめてみました。
【 世界一周の一般的な旅行費用 】
※個人旅行の場合
◯半年…¥100万〜¥150万/一人
◯1年…¥200万〜¥250万/一人
◯2年…¥350万〜¥400万/一人
◯3年…¥500万〜¥550万/一人
目的地や旅のスタイルに応じて変わりますので、一日の生活費を¥4,000〜¥5,000を前提とした、あくまで私たち夫婦調べの目安金額です。
今ではLCC(格安航空会社)や、以下のようなユニークな宿泊サービスもありますので、上手に活用すればより安く旅行できるかとは思います。
Airbnb(エアビーアンドビー)
現地のホストが、旅行客へ自宅などの宿泊施設を提供するマッチングサービス。宿泊費はホストが設定。
CouchSurfing(カウチサーフィン)
大旨Airbnbと同様のマッチングサービス。ただし、目的は「ゲストとの交流」にあるため、基本的に宿泊費は無償。
ただ、忘れてはいけないのが、上に記した金額はあくまで「旅行費用」だということ。
出発の1ヶ月〜3ヶ月前は、会社を辞めて旅の準備に充てるという人が多いようですが、当然その間の日本での生活費は少なくとも一人15万〜25万/月はかかります。
また、帰国後にすぐに仕事に就けるとは限りませんので、半年分くらいの生活費は余裕をみておいた方がよいと思います。家を新たに借りることなども見据えれば、少なくとも一人150万〜200万/半年はないと、あっという間に生活苦に陥ります。
…ということは結局、期間⇄予算の関係は以下のとおり考えて用意しておくのが安全だと思います。
【 世界一周する上で必要な予算 】
※個人旅行の場合
◯半年…¥300万~¥350万/一人
◯1年…¥400万~¥450万/一人
◯2年…¥550万~¥600万/一人
◯3年…¥700万~¥750万/一人
世界一周関係のブログで、「どれだけ安く旅をできるか」という情報をウリにしている方もいますが、その多くは出発前後のコストを端折っていますので、これから長期旅行を検討されている方は注意して下さいネ(苦笑
そして、お金と同じくらい大事な指標が、「目標」です。
私たちの今回の旅のテーマは、「世界の郷土菓子を巡る旅」です。世界各地を旅しながら、その土地ならではの郷土菓子をリサーチして、レシピはもちろん、そこでみえてきた地域の文化・歴史までを深堀りしていくことを考えています。
一見、旅行期間が長ければ長いほど、たくさんの郷土菓子をリサーチできて、願ったり叶ったりのようにも思えますが、私たちにとってリサーチすることは手段であって、目的ではありません。
旅でのインプットを、日本でアウトプットするまでを目標としていますので、あまりダラダラと旅を続けたくはないのです。
なので、目標のために必要だと思われる情報に事前にアタリをつけ、それらの地域を訪ねるための必要最低限の日数を割り出すことにしました。
もちろんいざ旅が始まれば、偶然の出会いや発見が多々あると思うので、その土地での滞在期間やルートの予定は、現地で大いに変更していくことになると思います。ただそれも、予め見通しを立てたり、予習をしておくからこそ、“寄り道”に対して、より価値を感じられるのだと思います。
最後に、最も大事な指標が「子ども」です。
私たち夫婦の間で、近い将来に子どもがほしいというのは共通の想いです。もう30歳を越えている状況で、無駄にノンビリしている時間はありません。
言い換えれば、その想いを押してでも旅に出る必要性を感じて、出発することを決めました。
そんな経緯もあったため、「放浪」「無期限」の旅で社会から“ドロップアウト”することで、生まれて来てくれる子どもに迷惑をかけるような親には、絶対になりたくない。
逆に胸を張って、子どもに旅の素晴らしさを伝えられようになりたい。そんな想いもあって、“キャリアアップ”の旅にしたい!…と考えているわけです。
というわけで、子どもについて考えたときに出した結論は、「とにかく“出発”は、なる早で!」…ということでしかありませんでした(笑
以上、「予算」「目標」「子ども」の3つの指標から、私たち夫婦の現実と身の丈を踏まえて、旅行期間は半年以上〜1年未満としました。
さまざまな環境・状況・考えがあると思いますが、長期旅行を検討されている方にとって、「期間」を決める参考になれば幸いです!
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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