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もう10年以上前のこと、シリアを旅していた際に、と或るゲストハウスで一人の日本人男性と出会いました。


当時まだそんなに日本人がいなかったせいか、彼は積極的に話しかけてきてくれました。聞けば、世界一周をしながらブログを書いている、「旅人ブロガー」なのだとか。そして、翌日はパレスチナ自治区へ向けて出発するのだそうです。

イラク戦争後ということもあり、当時のイスラエルとパレスチナ自治区の境界エリアはかなりの緊張状態(外務省発表で当時「レベル3:渡航中止勧告」)にありました。しかし、彼はあえてそこに突っ込んでいきたいと、鼻息を荒くしていました。
 

「なんで危険を冒してまで、わざわざそこに行くんですか?」…と聞くと、

「だってそんなことする旅人、ほかにいなくない?」…との答え。


そして彼は続けました。

「ブログでさ、『パレスチナ自治区に行ってきま〜す』って投稿したあと、しばらく更新しなかったら、けっこう話題になると思うだよね。あいつ、死んだんじゃねぇか?!…みたいな(笑)」


それを聞いて自分は、「行かない方がいいと思いますよ」とだけ言い残して席を立ち、部屋に戻りました。

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「旅」は文化であり、「ツーリズム」は平和産業だと、自分は信じて疑いません。しかし、旅人はあまりにも未成熟です。


自分はこれまで、約40カ国の国々を旅してきました。一般的には多い方だとは思いますが、だからといって別に訪問国数をアピールしたいわけでも、競いたいわけでもありません。

ただ、憧れだった旅行情報誌の編集者になれたり、起業を経験できたりと、目標を掴み、社会の中で旅の価値を還元してこれたのも、これまで訪れた国々で得たコトを、自分のモノにしてきたからだということは、胸を張って言えます。

 
「自分探し」「放浪」「武勇伝づくり」の時代は、いい加減もう終わり。仮に自分を変えたいのだとしても、先進国生まれという傘の下、生存実感を旅で消費したところで、何も変わりません。だって旅は、旅でしかないから。
 

旅することが大事なんじゃなくて、旅で得たコトが大事。

そしてそれを、自分の土俵の中でモノにしていくことはもっと大事。

 

これに共感し、そして実践してくれるような旅人をもっと増やさなければいけないと思っています。

どんなにライフワークバランスが叫ばれようが、どんなにノマドワーカーが増えようが、旅の価値を社会の中で証明できる旅人がいなければ、日本に「旅」が文化として根付き、そして「ツーリズム」が平和産業として機能することがなくなってしまうから。


そんな偉そうなことを、胸を張ってもっと言えるように、まずは自分自身がもっと証明しなければ!

…というわけで、2016年1月から暑苦しく旅に出ます。

ひでつぐ

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\世界一周を終え、カフェをopen/



2 thoughts on “「旅する本屋」の、旅するワケ。

  1. こんにちは。ツイッターでいつも楽しく記事を拝見しております。

    いろんな国のいろんなお菓子が、いろんな人との出会いとともに

    つづられていて、パソコンの前にいながら旅に出ているようです。

    この旅の終わりに、「世界の郷土菓子を巡る旅」としてまとまる、

    ということですが、電子書籍だけでなく、紙の本でも発売の予定は

    ありますでしょうか?(あるようでしたら今からとても楽しみにしています!)

    気になったので、おたずねしました。

    差し支えないようでしたら教えていただければ幸いです。

    これからも、見るからに美味しく楽しい記事、楽しみにしております。

     

    • 佐藤さん、いつも読んで頂き、そしてコメントまで頂き、ありがとうございます。

      〉パソコンの前にいながら旅に出ているようです。
      そう言って頂けると、本当にうれしいです!!

      今回の旅の紙としての出版ですが、今のところは特に予定していないのですよね…。
      出版社からそういったお話しを頂くような、ミラクルがおきたらうれしいのですが…笑

      ただいずれにせよ、今回の経験をただ単に旅として終わらせるのではなく、なにかしらのカタチで日本でもアウトプットしていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願い致します!

      ヒデツグ

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