バスク人の心の郷土菓子は、“甘〜いベレー帽”♪
前回の「旅の日記」で、フランスのチョコレート文化はバスク地方から始まった!……という歴史を紐解いてみましたが、今回はその象徴である、バスクのチョコレート菓子を紹介したいと思います。
・・・ですが、その前に!
ここバスク地方は、みなさんもご存知、あの有名な「帽子」の発祥の地だということを知っていましたか??
その答えは・・・
「ベレー帽」です!!
バスク地方には古くから男性がベレー帽を被る習慣があり、かつてこの地を訪れたナポレオン三世が、そのツバや縁のない帽子を「ベレ・バスク」と呼んだことから、バスクの帽子として世界中に知られることとなったといわれています。
ちなみに、キューバの英雄、革命家 チェ・ゲバラがいつも被っていたのもベレー帽。
アルゼンチン人の彼ですが、父親がバスク系の移民であったことから、自身のルーツの象徴として「ベレ・バスク」を常に着用していたのだとか。
そう、ベレー帽は単なる「ファッション」ではなく、バスク人にとっての「民族衣装」だったのです。
・・・さて、話しを本題に戻して、バスクのチョコレート菓子を紹介したいと思います。
ベレー帽のくだりは全然関係ないじゃないか!…という声が聞こえてきそうですが、いやいや、とっても重要な話だったのです。
というのも、「ガトー・バスク」に並ぶ、バスクを代表する郷土菓子がこちらの・・・
・・・「Beret Basque /ベレ・バスク」だからです!
このお菓子、その名のとおりベレー帽をモチーフにしたお菓子(一個 €6.20 ≒¥763)。
しっとり焼き上げたスポンジにチョコレートカスタード、もしくはチョコレートムース、そしてグラサージュやチョコスプレーで仕上げます。必要以上のアレンジをせず、チョコレートの美味しさをシンプルに楽しめる一品!
う〜ん、ベレー帽には見えないんだけど?…と思った方のために、より帽子型に近いベレ・バスクがこちらです♪
ここまで読んでもらえた方にはきっとわかって頂けたかと思いますが、「ベレ・バスク」は観光客に向けに、わかりやすいモチーフを型取りして売り出してみた……という類いのお菓子ではありません。
フランス・チョコレート文化発祥の地という自負の下、アイデンティティの象徴のひとつである民族衣装をカタチにした、バスクの人々にとっての心の郷土菓子なのです。
素材・技術・歴史・文化などが絡み合って織り成す、郷土菓子の世界の魅力を、私自身この「ベレ・バスク」から改めて感じることができたように思います。
あや
【今回「Beret Basque/ベレ・バスク」を購入したお店はコチラ】
ミルモン/MIREMONT
住所:1, Bis place George's clemenceau, 64200 Biarritz, France
HP:http://www.miremont-biarritz.fr/fr/
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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ベレ・バスクとてもいい解説でした。