ペルーとの国境を越え、一路ボリビアはコパカバナへ
【day】21日目
【route】プーノ→コパカバナ→ラ・パス
2週間弱を過ごしたペルーとも、いよいよこれでお別れ。
妻の療養から始まったペルー滞在は、諸々の態勢を整えるのに終始してしまった感があり、心残りだけど今後の予定も鑑みて、泣く泣く国境越えを決意…。
3カ国目となる、ボリビアへ入国することにしました。
ボリビアといえば、国土の1/3がアンデス山脈という、海をもたない“高原の国”。
そして、革命家 チェ・ゲバラが非業の最期を遂げた国であります。
通貨は「ボリビアーノ/Boliviano」で、Bs.1 ≒¥15。
公用語はペルーと同様に、スペイン語。
…という基本情報を踏まえつつ、早朝にペルーはプーノを発ち、いざボリビアへ。
私たちのプランは、バスにて今日中に、プーノからボリビアの首都ラ・パスまで行ってしまおうというもの。
ですが、ペルーとボリビアの両国にまたがるティティカカ湖上には、ペルー側から「ウロス島」を訪ねたように、ボリビア側にもぜひ訪ねてみたい島、「太陽の島/Isal del Sol」がありました。
そのため、プーノにて事前に「ウロス島ツアー+国境越えバス+太陽の島ツアー+ラ・パス行きバス」というパッケージ(一人 S/.110 ≒¥3,850)買いをして、準備万端で今日を迎えたのでした。
…というわけで、まずは国境越え。
プーノからバスで約2時間半かけて、国境へ。向こうに見えるアーチをくぐれば、そこはもうボリビアです。
バスから一旦降りて、ペルーのイミグレーションにて出国手続き。
ご多分に漏れず、こういった地方のイミグレーションのスタッフは果てしなくぶっきらぼう&偉そうだけど、ちょっとしたことで意地悪されて出国に支障を来すので、果てしなく下手に出るのであります。
本当にこれでペルーともお別れだと思うとさみしすぎて、気休めに記念写真をパシャリ。
そして国境線となるアーチまで、自分たちの足でテクテク。国境を歩いて越えられるのは、なかなか貴重な体験です。
…そして、ボリビアに入国!! 向こう側は、もう引き返すことのできないペルーです。
とはいえもちろん、ボリビアに入った瞬間に景色が変わる…とか、そういったことはございません。
なお、ペルーとボリビアは時差は1時間。アーチをくぐった時点で、時計の針を1時間進めます。
はしゃぐ間もなく、今度はボリビアのイミグレーションにて入国手続き。
ひと通り手続きを終えて、バスでさらに30分ほど行くと・・・
・・・コパカバナに到着です!
プーノ(ペルー)~ラ・パス(ボリビア)のちょうど中間地点に位置するコパカバナは、ティティカカ湖にある「太陽の島」の基点となる町。
その「太陽の島」は、インカの初代皇帝マンコ・カパックと、妹であり妻(!?)のママ・オクリョが降り立った聖なる地と伝えられ、特にインディヘナの人々にとっては特別な意味をもつ島です。
…というわけで、私たちも国境越えのバスを下車して、すぐさま港へ。
プーノは雲っていたけど、こちらは抜けるような青空! ようやく深い碧の美しいティティカカ湖を、拝むことができました。
そして、コパカバナからモーターボートで行くこと約1時間半…
…太陽の島が見えてきました!
段々畑とカラフルな家並みが、美しいのです。
船着き場からすぐのところに階段があり、ここを30分ほど上っていくと島の上部にたどり着き、アイマラ系インディヘナの暮らしの様子を伺えたり、美しいティティカカ湖の眺めを楽しめたりするそうなのです。
そりゃあ行くっきゃないわけですが、
■現在時刻は、PM3:10
それに対し、
■コパカバナに引き返すモーターボートは、PM4:00発
いやいや、島の上りに30分かかるっていうのに、持ち時間50分はないでしょ! しかもこのティティカカ湖は標高3,890メートルの高所だっていうのに、どんな挑戦させる気!?
さらに追い打ちをかけるように、入島料(Bs.5 ≒¥75)の徴収が、尋常ではないくらいモタつく…!
こんなの無茶だろ〜と二人で文句を言っていたけど、なぜか同乗していた観光客のみなさんは、けっこう素直に階段を上り始めてしまった…!?
島上部にはホテルもあるので、重そうなバックパックをかついでいく人は宿泊者。でも軽装な人は、自分たちと同じように、PM4:00発のモーターボートのために帰ってくるはずなのだけど、、、
…と、これはあとから調べてわかったことだけど、この無茶なタイムリミットのツアーは有名で、ある種タイムレースとして、もはや旅行者のお楽しみになっているらしいのです…。
しかもモーターボートの所要時間は日によってズレがあり、早く着けばラッキー! 遅れたら残念でした! …というのは暗黙の了解のよう、、、
なんじゃそりゃ!…な話しですが、一周して笑えてきた私たちは、スタート時点で登頂をあっさり諦め(笑)、まぁとりあえず行けるトコまで行ってみよ~と、のんびりと階段を上り始めたのでした。
道すがら出会う、島の住人とアルパカ。
息は苦しいけど、美しい段々畑の光景は和みます。
…なんて楽しんでいたら、あっという間にタイムリミット(笑)。
まだまだ道は続いていますが、おそらく半分くらい上ったところで、引き返しました。
出発の5分前に、きっちり船着き場に到着。
しかし、実は私たちにはまだ、若干の不安要素が…。
なぜなら、コパカバナに戻ったあとは、すぐさまラ・パス行きのバスに乗車。時間は、PM6:00発なのです。
■PM4:00 太陽の島
↓モーターボート
■PM5:30 コパカバナの港
↓徒歩
■PM5:45 コパカバナのバス発着所
・・・う~む、ギリギリだ…最後までハラハラさせるツアーです。
とはいえ、概ね定刻通りに船は出発。よかったよかったと、二人でほっと胸を撫で下ろしました。
…とその刹那、なぜか再び、太陽の島に停泊…!!
さっきとは違う船着き場のようではあるけど、なぜまた停泊!?…と、激しく動揺する私たち。
すると運転士が、「ここで15分間、陸に上がって~」とアナウンス。
「いやいや、なんでよ!?」と突っ込むと、
そのレスポンスは、「インカの遺跡があるから」。
「あ、ホントだ! すご~い♥」
…とは、残念ながらなりません!
いやいや、ここで15分も停泊してたら、ラ・パス行きのバスに絶対間に合うはずはないでしょうが!…と、猛然と抗議。
私たちと同じ内容のツアーの人もいて、みんなで一気呵成に出るも、運転士は「おれ関係ないも~ん」という強すぎるハートで、私たちを去なし続けます。
ここでどんなに頑張ってもラチがあかなそうなので、もしバスの時間に間に合わなかったらツアー会社に抗議だ!と、鼻息を荒くする私たちは…
開き直って、インカの遺跡を楽しみました♪
旅で培われる力の一つに、“切替え力”は、絶対に上位にランキングされると思います(笑)
…そんなこんなでPM4:30、今度こそ本当に、太陽の島を出発。
船の中では、コパカバナに到着したらどのようにツアー会社に抗議すべきか!と、二人で作戦会議。
しかし…
どんなマジックを使ったのか謎だけど、帰りは1時間半もかからず、PM5:45にはコパカバナの港に到着!
運転士さん、さっきは責めすぎてゴメン!…と、心の中でほんのちょっとだけ謝罪しつつ、それでも時間がないのは確かなので、港からバス発着所までとにかくダッシュ!
バスの出発まであと15分…! よりによって標高3,890メートルの坂道で、また焦らされるとは~~~
でも、火事場の馬鹿力で、なんと出発時刻PM6:00の5分前にはバス発着所に到着!
よ~し、このままバスに飛び込んでやれー! バスのスタッフさーん、乗りますよー!!
スタッフ:「出発はPM6:30だから、もう少し待ってなさい」
・・・はい???
えぇ、実は坂道を走っているときから、そうであることは願っていました。でもあなたは、私たちが太陽の島へと発つ前に、「ラ・パス行きバスの出発はPM6:00だからね!」と、けっこうなプレッシャーをかけてきましたよね?
太陽の島を出るときからの、ハラハラな時間を返してくれ…!
…と、訴えたいところだけど、南米での伝達・伝言の曖昧さや時間の不確実性は、これまでの旅で痛感済みなので、「いや~間に合ってよかったね~」と、素直に胸を撫で下ろす私たち。
ついでにこれ幸いと、コパカバナの町中でやっていたお祭りを見学。“切替え力”、どうやらこの旅でぐんぐんと磨かれているようです(笑)
さて、そんなすったもんだもありながら、ラ・パスへ無事に出発。
あとはバスに乗っていれば着くぞ~♪
…と思いきや、最後の関門が!
1時間ほど経ったところで突如、全員バスから降りるよう指示が出されました。
何事かと思ったら、なんとここからボートに乗り換えるとのこと…。いやいや、首都のラ・パスにボートで乗り入れるなんて、聞いてないんですけど!?
…と思いきや、ティティカカ湖とウイニャイマルカ湖を結ぶ水路があり、ここだけは渡し船で移動するのだとか。水路の幅は約500m、所要15分ほどで対岸に到着するとのこと。
乗船料(一人 Bs.2 ≒¥30)の支払いと、国境ではないのにパスポート提示がマスト。…う~ん、例のごとく、ツアー会社からの事前説明はなかったなぁ(苦笑)。
ちなみに、バスも船に乗せられてボートで運ばれていく様は、ちょっとおもしろい。
あたりはどんどん暗くなってきましたが、おかまいなしで出発です。
けっこう波が強く、しかも風もとても冷たく、同乗者は皆ほぼ無言。まるで密入国してるような、船上はなかなか重苦しい空気です(苦笑)。
でも、そんな雰囲気になってしまうのもわかる気が。
ボートに乗っている大半は観光客で、おそらくここの渡し船に乗るのも初めて。手続き自体は簡単なのだけど、あまりに突然の出来事に加えて、この闇の中。自分だけ置いていかれやしないかと、かなり不安に襲われるんですよね…。
そんな、あまり心地よくはない雰囲気の中、無事対岸に着くと、小さな村の船着き場で降ろされました。
かなり薄暗い&寒い中で、30分ほど待機。私たちよりもバスが対岸に到着する方が、圧倒的に遅いのです…。
結果、バスも無事到着し、待ってました言わんばかりに皆、我れ先にと乗車。対岸で一度降ろされてから、こうして再びバスに乗り込むまで、なんとトータルで1時間弱。その間、進んだ距離はわずか500m!
観光客の動線を考えれば、この区間は相当な交通量だろうに、橋は架けないのだろうか…いや、架けられないのか…。 “南米の最貧国”とよばれるボリビアの旅は、想像を遥かに超える出来事に直面しそうな予感です。
そんなこんなで、早速翻弄され続けた、ボリビアの初日。
明らかにペルーよりも警戒せざるを得ない空気が漂う、PM10:00のラ・パスに到着したのでした。
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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!
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あや、すっかり元気そうだね!
いつも楽しく拝見しているー^-^
切替え力、いいね!!!
ひきつづきご安全に☆
ゆみ
いつも、見守ってくれていてありがとう♪
すっかり元気になりました。
そんなこんなで…ますます?切替力が身に付きました♪
そして、高地ですぐに息があがるたび、
日本での“呼吸のし易さ”に有り難さを感じます〜^^