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ポルトガルで飛び込み取材! 今回の郷土菓子は「テントゥガル」♪

【day】84日目
【route】コインブラ→テントゥガル→コインブラ


前回の「旅の日記」に綴ったとおり、ポルトガル第三の都市・コインブラにやって来た私たち。

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なぜここにやって来たかというと、日本の「金平糖」のルーツとなった「コンフェイト」という郷土菓子があったり、また、コインブラを起点にテントゥガルアヴェイロといった、ポルトガルを代表する郷土菓子が生まれた場所にアクセスできたりと、決してスルーはできない街なのでありました。

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・・・というわけで本日は、↑この郷土菓子が生まれたという、テントゥガルへと行ってみることに!

トレーシングペーパーのように薄く伸ばした生地を重ね、オヴォシュ・クリームというポルトガル特有の卵黄のクリームを包んで焼き上げたこのお菓子。

その名も「Pasteis de Tentugal/パスティシュ・デ・テントゥガル」。つまり「テントゥガルのお菓子」という、そのまんまの名前なのです!

各地方・各地域で多様なお菓子が誕生したポルトガルでは、その土地の名前を冠した郷土菓子が数多く存在しています。う〜ん、さすがお菓子大国・ポルトガル!


ちなみにパスティシュ・デ・テントゥガルは、全国区の人気を誇る商品のため、わざわざテントゥガルに行かずとも、リスボンやコインブラで購入することはできるのですが、当然どれも既製品。

では、イチから作っているところを確認するためには、どこに行けばよいかというと・・・

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・・・それはやっぱり今でも、テントゥガルなのだとか!

その土地の銘菓とは名ばかりで、生産効率や流通上の都合で、全く関係のない地域に工場を構えている……なんていうケースも少なくない昨今の日本とは大違い、、、う〜ん、やっぱり、さすがお菓子大国・ポルトガル!


しかし、テントゥガルを訪ねたからといって、パスティシュ・デ・テントゥガルを作っている現場を見せてもらえるなんて保証はありません。

なんてったって、ガイドブックにも載っていないような小さな村らしく、どんなトコロなのかはもちろん、そもそも行き方すら調べる術がないのですから!

しかし、ここまで来たからには意地でも行ってみたい!…と、考えていた私たちは、ネット上に転がっている断片的な情報を拾い集めつつ、コインブラの地元の人々に聞き込みをして・・・

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なんとかテントゥガルに行くことのできるバスを発見! コインブラ始発、フィゲイラ・ダ・フォズ行きの市バスに乗車して、緑あふれる田舎道を行くこと約40分・・・

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やって来ました、テントゥガル!!

・・・ウワサ通り、とっても小さな村。しかし、それはいいとして、人気(ひとけ)がなさすぎるんですけど、、、

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雨も降ってきたし、これは困ったぞ〜…と焦っていると、地元のおばあちゃんが通りかかったので、このチャンスを逃すまいと、パスティシュ・デ・テントゥガルの工房がある場所を聞いてみました。

すると親切なおばあちゃんは、「OK!ついて来なさい!」…と、そそくさと歩き出し・・・

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・・・そして連れて来られたのが、こちらの建物。看板など出ていないのはもちろん、工房というより、なんか家みたい…??

あちゃ〜……これは、おばあちゃんにうまく質問が通じてなかったのかな?…と不安を覚えつつも、恐る恐る建物の中を覗いてみると・・・

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うわぁぁぁぁぁぁ! 本当に、パスティシュ・デ・テントゥガルの工房だった!!

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ずらりと並ぶ、出来立てのパスティシュ・デ・テントゥガル! こ、これはすごい場所に潜入できてしまった…!

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突然の異国からの来訪者にも関わらず、見学させてもらえませんか?…と聞くと、なんなら一緒に作りなさいよ〜♪…といった調子で、すかさず調理用帽子まで与えてもらえました(笑

ものすごくイイ笑顔だし、これはいける!…と手応えを感じて、見学だけじゃなくて、取材もさせてくれませんか?…と、間髪入れず打診してみると・・・


・・・なんと、表情が豹変!!

険しい顔つきに変わり、半ば強引に工房から追い出されてしまったのです…!

あ、それなら見学だけでいいです!…と言っても、もはや聞く耳すら持ってもらえません、、、


理由は明確で、「レシピを外に漏らすことはできない」…ということだったので、とっても残念だけど、とっても納得。なんってたって、パスティシュ・デ・テントゥガルはこの小さな村の財産ですから。

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・・・そんなわけで、冷たい雨が降りしきる、相変わらず人気(ひとけ)のない村に、またもや放り出されてしまった私たち。

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寄る辺もない中で、雨足は強まる一方……もはやモチベーションがガクンと下がってしまった私たちは、村のはずれにあるカフェに避難することに。

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せっかくなので、ここで本場のパスティシュ・デ・テントゥガルを食べていこうと注文してみると・・・
 

・・・これが衝撃的なおいしさ!!

事前にコインブラでも食べてはいたのだけど、あれは違うお菓子だったのか?…と疑ってしまうほど、ここで味わうパスティシュ・デ・テントゥガルは絶品!

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本場モノの圧倒的なインパクトで、再びモチベーションに火が付いた私たち! ダメ元でカフェに取材依頼を敢行すると・・・

・・・なんと、先ほどの工房と同様に、ピシャリと断られることを覚悟していたのですが、私たちのテントゥガル愛が伝わったのか(笑)、拍子抜けするほどあっさりとOKを頂くことができたのでした…!!

例のごとく、一緒に作らせてもらった様子を、チラ見せ致します!

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「そう簡単に、レシピを外に漏らすことはできないわ!」

「レシピを知ったところで、そう簡単にこの味は再現できないよ!」

・・・一見、真逆のスタンスのようにみえて、その奥にある真意はどちらも、この村の人々が、この村の郷土菓子を、どれだけ大切に、そして誇りに思っているかということ。

パティスリーに並ぶ郷土菓子の「数」ではなく、小さな村に生きる人々を通じて、ポルトガルのお菓子大国たる所以に、本当の意味で触れることができたように思います。


この取材の詳細は近日中に、夫が誌面(SWEETS TRAVEL BOOK)にまとめますので、どうぞお楽しみに♪

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*世界一周の旅を経て、
お菓子ブランドをスタート!




2 thoughts on “6度目の突撃取材に成功! ポルトガルのテントゥガル村で郷土菓子作り♪

    • ありがとうございます!

      正直、郷土菓子の聖地・ポルトガルでまさか成功できるとは思わなかったので、喜びもひとしおでした♪

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