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イースター島のモアイは本当に、「世界がっかり遺産」なのか?

【day】46〜47日目
【route】イースター島


前回の「旅の日記」に綴ったとおり、イースター島に到着した私たち。

イースター島といえばモアイ像!…ということで、今回はモアイだらけのモアイ祭りを開催致します。

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イースター島は、島の大部分が「ラパ・ヌイ国立公園/Parque Nacional Rapa Nui」として、1995年に登録されたユネスコの世界文化遺産

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チリの海岸から約3,700㎞、タヒチの海岸からは約4,100㎞と、地球上でほかの陸地から最も距離が遠い陸地であり、まさしく“絶海の孤島”なのであります。

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そして、この島を世界的に有名しているのが、なんといってもモアイ像。島内にはなんと1,000体にも及ぶモアイ像が存在しているのだとか。

そしてこのモアイ像を造ったのは、ポリネシア系の先住民、つまりその祖先はアジア人である…とする説が有力。1722年にはオランダ海軍がイースター島に到達、島民たちが火を焚いて祈りを捧げる姿を目撃した…などの記録が残されているそうです。

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ちなみに、このオランダ人たちが上陸した日が、キリスト教の「イースター(復活祭)」だったため、英語名称は「イースター島/ Easter Island」となったのだとか。なお、スペイン語名称は「イスラ・デ・パスクア/Isla de Pascua」、ポリネシア語名称は「ラパ・ヌイ/Rapa Nui」です。

住民同士の戦い、島外から持ち込まれた天然痘…などその原因は諸説ありますが、18世紀〜19世紀の間に島の人口は急激に減少。さらに、生き残っていた島民たちはペルーへ送る奴隷として連れ出されるなどして、イースター島の社会は崩壊へ。

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さまざまな争いに翻弄されながら、1888年にはチリの領有に。現在では世界中から旅行者が集まる観光地となり、ポリネシア系住民6,000人弱が暮らしています。…が、祖先が使っていた言語すら忘れ去られ、当時の本質的な文化再興は、事実上不可能な状態にあります。
 

…という基本情報を踏まえつつ、いざ、モアイの元へと出発!!

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なお、島内に点在するモアイさんに個人で会いに行くためには、ホテルなどでレンタカーやレンタバイクの手配が必要になります。

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そして、イースター島到着の初日に私たちが向かったのが、「タハイ儀式村/Sector Tahai」
 

そしてついに・・・

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・・・モアイとご対面!!!

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モアイに会いに行くという、10年越しの夢を叶えた旅ヲタの夫は、感無量の表情。

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ちなみに、「タハイ儀式村」は夕日の名所でもあり、モアイ×夕日の絶景を楽しめてしまうのです。

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意外だったのが、モアイのすぐ横では海水浴もできてしまうということ! モアイはおいそれと近づくことのできない区画にあるのかと思っていたので、びっくり。

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それにしても、モアイ像の真下で、ビキニで日焼けを楽しむ女性の姿は、さすがにシュールすぎやしませんか?
 

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翌朝、AM5:00起きで向かったのが、「アフ・トンガリキ/Ahu Tongariki」

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なぜそんな早起きをしたかというと、ちょうど背後に朝日があたるところに立っているモアイ像はここだけ。つまり、モアイ×朝日を楽しむならアフ・トンガリキなのです。

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日が昇り始めるAM8:00前の暗がりの中、モアイの前はたくさんの旅行者でガヤガヤ。静かに楽しみたいところだけど、トランスを流しはじめる輩もいたり、けっこう騒がしいのが残念です。

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なお、日中のアフ・トンガリキの眺めはこんなカンジ。

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アフ・トンガリキに並ぶモアイ像の数は15体で、島内で最多。なんとこの像の再建は、日本企業の援助によって行われたのだそうです。

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ちなみに、モアイが立っている台座は「アフ/Ahu」とよばれ、モアイ以上に神聖な“祭壇”とされています。

かつてはアフしか造られていなかったけれど、その上にモアイを立てることで、権力や霊力をより象徴的にした…と考えられているそうです。

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アフは神官や権力者の家と向き合う形で置かれるため、どれも内陸を向いている。つまり、モアイが内陸を向いて立っている理由は、先に造られたアフにあったのであります。


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・・・ただし例外も!

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それが、島の内陸部にある「アフ・アキビ/Ahu Akivi」

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7つの部落の、7人の酋長の像といわれるアフ・アキビですが…

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なんとこの7体は、海を向いて立っているのです! 春分と秋分の日没の方角を指しているともいわれ、天文学的な意味合いがあるのかも…とのこと。
 

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それにしても、一体一体のモアイ像は随分と保存状態が悪いんだな…と思って見学していたのだけど・・・

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「アフ・ナウ・ナウ/Ahu Nau Nau」のモアイは別でした!!

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砂に埋もれていたため保存状態が良かったとのことで、数少ない「プカオ(≒帽子)」をかぶったモアイ像が4体も並んでいます。

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なんとモアイは“ふんどし”を付けているそうで、アフ・ナウ・ナウではその模様も確認することができます。

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なお、アフ・ナウ・ナウは、イースター島の最初の王・ホツマツアが上陸したとされる場所に立っています。

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そしてこの場所は「アナケナビーチ/Playa de Anakena」という浜辺になっていて、海水浴を楽しむ旅行者でガヤガヤ。

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さすが絶海の孤島、海の美しさは息を呑むほど。いつもならストイックに延々と遺跡を巡る夫も、さすがに波と戯れるのでした。
 

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なお、イースター島に存在するのは、なにも整然と並ぶモアイだけではありません。

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この「ハンガ・キオエ/Hanga Kio'e」では・・・

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1体のモアイが佇んでいるだけ…。

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しかし、このモアイが特別なのは、岩が切り出された場所からここまで自力で歩いてきた…という伝説を残しているということ!
 

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・・・「岩が切り出された場所」ってどういうこと??

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…という話しですが、モアイ像はもちろん、島内の岩場から切り出されて造られていました。「ラノ・ララク/Rano Raraku」は、なんと山が丸ごとモアイの製造工場になっていて…

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こんなカンジで、400弱もの造りかけのモアイが、未だ山の中に埋まっています。

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整然と並ぶモアイもいいけど、個人的にはラノ・ララクの光景はかなりインパクト大でした。

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こんな間近でモアイ像を見られたり、

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造りかけとはいえ、島最大のモアイ像があったり(写真左に斜めに横たわっている像)、

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珍しい、正座をしているモアイ像があったり!

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ここで、約800年間にもわたりモアイ製造が続いたというのだから(造られた理由は未だ謎だそう)、古代文明のミステリーにぞくぞくしてしまいます。
 

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しかし、約800年の歴史に終止符を打ったのは、外的圧力ではなく、悲しいかなモアイ製造による弊害だったとされています。それが「モアイ倒し戦争」と呼ばれる、1770年に始まった部族間戦争。

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モアイ製造における資源としては、石材だけでなく、モアイを運んだり、祭壇に建てたりするために大量の木材も必要とされていました。しかし、無計画な伐採によって森は裸になり、土地は衰え、いよいよ住民の生活へも影響を与えるように。

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その結果、部族間では食糧の奪い合いが起こり、武力闘争にまで発展。モアイの目には霊力が宿ると信じられていたので、敵対する部族のモアイの目を潰して、うつ伏せに倒していった。

これによって、モアイが製造されることがなくなったのはもちろん、その遺跡は風化の一途を辿るようになるのでありました、、、


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命をかけて海を越え、はるばる小さな島へとやって来たというにも関わらず、結局はルーツを共にする人間同士の争いで、自滅していく。

“絶海の孤島”なのに、いや、“絶海の孤島”だからこそ、なんとも濃度の高い人間社会の縮図をみたように思います。

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時として、「世界がっかり遺産」にも挙げられてしまうイースター島のモアイだけど、一見無機質なその表情の向こう側に彼らの悲哀がみえたとき、はじめてこの遺産の価値がわかるように思う。

…と、満足気に、そして無駄に熱く語るのは、10年越しの夢を叶えた旅ヲタの夫でありました。


次回の旅の日記では、モアイだけではない、イースター島のおハナシを綴っていきたいと思います。

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